Lesson1では、スキンケアの基本である皮膚の科学を学んでいきます。そもそもの肌の構造や、「美肌」とはどのような肌なのか、なんとなく理解しているつもりのものを明確にしていきましょう。
皮膚構造や肌の仕組みを理解することで、これから先学習するスキンケアコスメの基本が理解でき、修得しやすくなります。
スキンケアとは何か
まず最初に、スキンケアとは「肌の美しさや強さを引き出すために行う肌のお手入れ」です。お手入れをすることでターンオーバーのリズムを整えたり、健やかな肌を保つことができます。
私たちの肌は、乾燥や紫外線、ストレスや食生活などによって潤いがどんどん失われてしまい、ターンオーバーが乱れ肌老化は進行してしまいます。肌老化を食い止め健やかな肌を維持するためには、正しいスキンケアを行うことが大切です。
スキンケアにおいて、もっとも重要であり本質的な要素は下記の3つの基本です。
②肌に潤いを与える
③潤いを肌にとじこめる
この3つのポイントを押さえ、肌状態に応じ適切なお手入れをすることで、肌は本来の力を取り戻し美しく自信の持てる肌を手に入れることができます。
スキンケアを行うメリット
スキンケアを行うメリットは様々ありますが、女性にとって最もうれしいのは、現状のキープだけでなく肌の老化スピードを緩めることができる点でしょう。
肌はケアをしなければ、紫外線や乾燥などの外的要因により水分が失われ、外的刺激要因からの影響をシャットアウトする肌のバリア機能が低下します。適切なスキンケアは肌をみずみずしく保ち、透明感のある素肌をキープすることができるだけでなく、肌老化を食い止めることができます。
毎日の地道なスキンケアは今日や明日の肌状態を良くするだけでなく、5年後、10年後の未来の肌への投資ともなるのです。
②肌に潤いを与える
③潤いを肌にとじこめる
大切なので繰り返し記載しましたが、この3つの要素を実践するにあたり、基本的にはクレンジング・洗顔・化粧水・乳液・美容液・クリームが使用されます。肌は年齢や生活環境によって変化するため、その時々肌に応じて肌に必要なスキンケアを施すことが大切です。
美肌とは何か
美肌とは、肌本来の力が正常に働いている状態を指します。肌本来の力とは、自分の肌を潤す力(保水力)であり、ターンオーバーが正しいサイクルで行える肌力です。美肌を言い換えるなら、「キメが整っている肌」、「血色が良く、くすみのない透明肌」、「ハリや弾力のある若々しい肌」、「潤ってみずみずしい肌」と表すこともできます。
しかし、間違ったスキンケアや加齢にストレス、生活習慣などが原因で、本来の力が発揮できないと様々な肌トラブルが生じます。
スキンケアを行うことで、キメの細かさをキープし、またキメが粗くなっていればふっくらとした弾力のある肌に回復させることができます。美肌とは、生まれ持ったものではなく、毎日の努力で手に入れることができるものなのです。
スキンケアの範囲
スキンケアは顔だけでOK?
スキンケアとは一体どこからどこまでのお手入れになるのか、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
化粧水をつけたりクリームをつけるのは、顔のみ(頭皮以下〜アゴまで)という方が多いですが、皮膚という視点で考えてみると、頭皮からつま先まで一枚の皮膚で繋がっています。頭皮がたるむと顔の皮膚もたるむ、というのは聞いたことがあるでしょう。1番目立つ顔に気をとられがちですが、実はもう少し広い範囲でのお手入れが有効です。
毎日のスキンケアの範囲は、顔から〜デコルテ(鎖骨あたり)まで行うことが基本です。そして、週に一度頭皮のマッサージを加え頭皮をほぐすとよいでしょう。
首やデコルテラインのお手入れの重要性
顔よりもお手入れがおろそかになりがちな首は、顔とは構造が異なるため、たるみやシワができやすい部分です。年齢も出やすいのでしっかりとケアを行いましょう。スキンケアを顔からデコルテまで行うことで、顔と首・デコルテの肌トーンの差や肌状態の違いに悩まされずに済みます。
また、首のシワは一度付いてしまうと取り除くのが大変難しくなります。首に一本の線があるだけで印象はかなり変わってきますので、これまでフェイスケアのみだった方も、首のお手入れも忘れずにスキンケアに組み込むようにしましょう。
それではまず最初に、スキンケアを行う私たちの肌について知識を深めていきましょう。皮膚構造や仕組みについて理解することで、様々なケアが理論的に理解できるようになります。