Lesson1-2 皮膚構造①

スキンケアのそもそもの基本となる「肌」について、まず知識を深めていきましょう。皮膚の構造や仕組みを理解することで、必要なアイテムや用いる手法の合理性が論理的に理解できるようになります。

さらに、肌タイプの特徴を理解することで、その人に応じたスキンケア方法や気をつけることがわかります。自分にぴったりのスキンケアを行ったり、人に合わせてアドバイスするには、この知識は必須となります。しっかりと皮膚科学の知識を身につけましょう。

 

皮膚の構造

皮膚は表面からみて、下記のような3層構造をしています。

  1. 表皮
  2. 真皮(しんぴ)
  3. 皮下組織
 Designua/Shutterstock.com Adopted.

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さらに表皮は下記の4つの層で構成されています。

  • 角質層(かくしつそう)
  • 顆粒層(かりゅうそう)
  • 有棘層(ゆうきょくそう)
  • 基底層(きていそう)

また、表皮にはメラニンを生成する色素細胞や免疫に関わるランゲルハンス細胞も存在します。真皮は表皮に栄養を送るための血管やリンパ管、神経などが分布している構造となっています。

kotikoti/Shutterstock.com/Adapted.

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皮膚とは何か

「皮膚」または「肌」と呼ばれる事もありますが、これは私たちの身体全体を覆っており、生命活動を守る役割も果たしています。人体最大の保護器官でもあります。

皮膚の面積は一般的な体格の成人で約1.6㎡ほどとなり、その厚さは表皮と真皮で1.5~2.0mm、重量は体重の約6%程度となります。

 

皮膚の表面構造

肌表面は、皮溝ひこう皮丘ひきゅう毛孔けあな汗孔かんこうがあり、皮膚全体を皮脂膜で覆っています。

  • 皮溝・・・皮膚表面を網目状に走っている細かい溝。
  • 皮丘・・・皮溝に囲まれた、菱形や四角形に皮膚が盛り上がっている部分。
  • 毛孔・・・皮溝が交差している所にある毛の出口。
  • 汗孔・・・皮丘の中央部にある汗の出口。

肌のキメは皮溝と皮丘がいかに規則正しくキレイな形で並んでいるかで決まります。キメの細かいなめらかな肌は溝の皮溝の幅が狭く浅く、適度に皮丘が盛り上がっている状態です。年齢や間違ったスキンケアなどによって徐々に溝の深さが深くなったり、皮丘の盛り上がりが目立ち不揃いになると、皮膚表面はざらついてきます。これは、真皮層にある肌の土台部分の劣化も要因の1つです。

年齢が低いほどキメが細かく、一般的には男性よりも女性の方がキメが細かくなめらかな肌をしていると言われています。

Alexilusmedical/Shutterstock.com Adopted.

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簡単キメチェック

肌表面にあるキメをチェックしてみてください。キメとは、肌表面にある網目模様のことです。

Peter Kotoff/Shutterstock.com

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キメの細かい肌

  • 皮溝が囲んでいる皮丘が規則正しく四角形・ひし形に並んでいる。
  • 肌表面の四角形・ひし形を作っている線が細くて適度な深さである。
  • メリット・・・肌のなめらかさ、透明感、弾力、ハリ感、血色が良くツヤ感が増す。

キメの粗い肌

  • 皮溝が囲んでいる皮丘が四角形・ひし形ではなく、細長い長方形や不揃いな形になっている。
  • 皮溝が深く太い。
  • デメリット・・・肌がザラっとするようになり、弾力は失われ毛穴やシワが目立つようになる。肌トラブルが起こりやすくなる。