Lesson14-4 誰も教えてくれない⁉コスメの裏側④ UVケアコスメ指数

UVケアコスメの数字は高ければ高いほど効果がある?

答えは「YES」ですが、十分な効果を得るには条件が伴います。
UVケアコスメに表示されている数字や記号について改めて復習しておきましょう。

SPFについて

SPFとはサン・プロテクション・ファクター(Sun Protection Factpr)の略であり、SPFに続く数字は、シミ・ソバカス・皮膚ガンなどの要因とのなる紫外線B波のUV-B波から肌を守る力を表しています。何も塗布していない肌と比較して、日焼けが始まるまでの時間を何倍にできるかという目安となります。

肌に何も塗らない場合、肌は約20分で赤くなります。SPF10の効果は20分×SPF10=200分肌が赤くなるまでの時間を伸ばすということです。数字が高ければその分長く炎症するまでの時間を伸ばすことができます。現在、日本ではSPF50+までのUVケアコスメがあります。

UV-B波による肌への影響

UV-B波は赤く炎症を起こし、ひどい場合はやけどと同じ程度の水疱ができます。UV-B波によるダメージは紫外線を受けてから8〜24時間でピークに達し、数日間炎症が続きます。

PAについて

PAプロテクション・グレイド・オブ・UVA(Protection Grade of UVA)の略であり、こちらの後に続く「+」の記号は、皮膚を黒くさせるだけでなく、シワやたるみの原因ともなる紫外線A波(UV-A波)をどれくらい防止できるかを表します。+(効果がある)〜++++(極めて高い効果がある)までの段階の表記があり、UV-A波防止効果の強さを示しています。

UV-A波による肌への影響

UV-A波は肌の真皮層まで深く長く届くため、真皮層の繊維質を変性させシワやたるみの原因になります。UV-A波はガラスや衣服を透過するため、室内や長袖を着用していても対策が必要です。

※紫外線には、UV-A波、UV-B波のほかに、UV-C波というものもあります。これはオゾン層に吸収されるため地表にはほとんど届かず、UV対策にはあまり考慮されませんが、細胞を破壊する有害作用が強い紫外線のため、環境破壊によるオゾンホールなどの影響が心配されています。

chombosan/Shutterstock.com

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季節による紫外線量の変化

紫外線対策というと夏のイメージですが、一年を通して一定数の紫外線が降り注いでおり、ある程度の対策は必要です。特にガラスや衣服を透過するUV-A波は春先の3、4月に値が高くなります。

 

UVケアコスメの選び方

Oleksandr Liesnoi/Shutterstock.com

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紫外線吸収剤と紫外線散乱剤

日焼け止めを選び基準として、上記のSPFとPAの他に、「紫外線吸収剤タイプか紫外線散乱剤タイプか」というのも大切な要素です。

紫外線吸収剤とは

紫外線吸収剤の日焼け止めは、肌の表面で紫外線を吸収することで肌の内部に紫外線が侵入することを防ぐ役割を果たします。日焼け止め効果が高い反面、浴びた紫外線は化学反応により赤外線や熱に変改することで外部へと逃がす、という反応が起こっており、肌への負担が大きいとされています。

  • 日焼け防止の効果が非常に高い
  • 白浮きしづらい
  • 肌への負担が大きい

紫外線散乱剤とは

紫外線散乱剤の日焼け止めは、紫外線を反射・散乱させることで肌の中に紫外線が侵入することを防ぐ役割を果たします。紫外線防止効果は紫外線吸収剤タイプのものには劣るものの、肌への負担が少ないというメリットがあります。

  • 紫外線吸収剤に比べて白浮きしやすい
  • 吸収剤よりも肌に負担が少ない
  • 敏感肌でも使用しやすい

一般的には、顔には低刺激の紫外線散乱剤のもの、体や真夏のレジャーには紫外線吸収剤のものを使用するとよいでしょう。ただし、体の皮膚にも刺激が強い場合もありますので、肌の様子を見ながら使用します。

 

季節と使用シーン

紫外線対策は生活シーンに応じて変えていけば、必ずしもSPF効果の高いものを選ぶ必要はありません。また、コスメと同様、基本的には価格に比例した成分が使われています。

SPF・PAは生活シーンによりますが、日常生活であれば3月〜10月頃までは比較的効果の高いもの(SPF30前後〜、PA++〜)を使用し、それ以外の時期はそれ以下でも十分です。

UVケアコスメの技術は日々進化し、高性能・低刺激のものが増えています。以前であれば、SPFやPAの効果が高いものほど肌に負担がかかっていましたが、現在ではそのようなことはあまりありません。

SPFの数字やPAの後に続く記号が多くなればそれだけ紫外線によるダメージは抑えられますが、夏場は特に汗や皮脂の影響でその効果は低下します。十分な効果を得るにには、SPFの数字が高くても夏場は2〜3時間おきの塗り直しが必要であることを頭に入れておきましょう。またインナーケアとしてビタミンCの積極的な摂取が有効です。

 

Lesson14のまとめ

  • スキンケアコスメの表示や成分、価格など、消費者が知識をもち賢く選択する必要がある。
  • 研究・発展途中なものもあり、その善し悪しを安易に決めつけることはよくない。
  • 自分の生活や経済面に合わせたコスメ選びが大切である。

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