ニキビの原因
ニキビが最も多く見られるのは思春期でしょう。特に脂性肌の方は悩みが尽きない肌トラブルです。思春期になると性腺の働きが活発になり、男性ホルモンを中心とした性ホルモンの分泌量が急増するのが原因です。
しかし、脂性肌の人が全てニキビに悩まされるわけではありません。ニキビの原因は活発な皮脂分泌だけではなく、毛穴のつまりにあります。
毛包の角質が分厚くなって毛穴を狭くすると、皮脂が皮膚表面に排泄されるのを妨げ皮脂が詰まってしまうことにより、ニキビが形成されていきます。さらにその中でアクネ菌が繁殖し炎症を起こすことで、赤く痛いニキビへと重症化していきます。
ニキビは青春の通り道、というように当たり前のもののようにとらえられていますが、「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」と言われる皮膚疾患の1つです。ニキビには大きく分けて「思春期ニキビ」と呼ばれるものと「大人ニキビ」と呼ばれるものがありますが、思春期にできるニキビを若年性痤瘡、年齢を重ねてもできるニキビを成人性痤瘡と呼びます。
どちらのニキビも触る・潰す行為は炎症を悪化させます。まずは、肌を清潔に保ち炎症を抑えることが先決です。
ニキビケアの基本
ニキビケアの基本は、肌を清潔に保つ事が最も重要です。まずは洗顔を丁寧に行いましょう。毛孔のつまりや余分な角質や皮脂をしっかりと取り除きます。老化した角質を取り除くための酵素洗顔やピーリングなどの方法も有効です。洗顔後に使用するスキンケアコスメは、殺菌効果のあるものや油分の少ないものをセレクトしましょう。
赤くなったり痛い状態になった炎症が酷いニキビ部分は、メイクアップを避けるようにします。
思春期ニキビの特徴
- 10代に多く見られる。
- 成長過程で、男性ホルモンが多く分泌されると皮脂の分泌が活発になる。
- 額・頰にできやすい。
- 20歳をすぎる頃には、次第に治っていく。
対策
- アクネ菌を殺菌する作用やビタミンCまたはビタミンC誘導体配合の化粧水を使用します。
- 毛穴の詰まりを吸着するクレイパックは有効です。
- 脂っこいものをできるだけ控えるようにします。
- 皮脂抑制効果のあるビタミンB1・B2、ビタミンC、血流促進効果もあるビタミンEを積極的に摂取します。
- 睡眠時間を十分に確保します。
大人ニキビの特徴
- 乾燥肌でもニキビができる。
- 20代以降に繰り返しできる。
- アゴやUゾーンに出来やすく、治りにくい。
- 生理前やストレス、睡眠不足が続くとできやすい。
対策
- 体内時計を整えるため、決まった時間に起きる。(6時間の睡眠を確保する。)
- ノンコメドジェニックのスキンケアコスメを使う。
- ビタミンCまたはビタミンC誘導体配合のものを使う。
- 保湿ケアを欠かさない。
- メイクは油分を控えたミネラルファンデーションを使う。
- ピーリングで角質・毛穴の詰まりを除去する。
- 生活リズムを整え、ストレスを溜めないよう心がける。
- 漢方薬を使って体内の自然治癒力を高める。
*思春期ニキビと大人ニキビとでは、同じニキビでも原因が異なります。使用する洗顔料や化粧水なども大人ニキビの場合、思春期ニキビのものを使用すると乾燥する場合もあります。大人ニキビケアコスメを選ぶときは、大人ニキビ用・敏感肌用・低刺激などの表示がされているものを選びましょう。
ニキビをケアする際の注意点
過剰な洗顔は避ける
肌を清潔に保つことは大切ですが、洗い過ぎは乾燥を招き、余分に皮脂の分泌を促してしまいます。朝と夜の1日2回の洗顔で十分です。
すすぎを丁寧に行う
いくらしっかり洗顔しても、すすぎ残しがあるとそれがニキビの原因となったり、症状を悪化させる事につながります。生え際からフェイスラインまで、ぬるま湯で丁寧にすすぎましょう。最低20回はすすぐようにします。
顔をさわらない
手には、見えない雑菌が無数に存在します。それによりニキビが悪化することもあり、また触ることによる刺激自体もよくありません。
髪が肌に触れないようにする
髪も手同様に雑菌が多く、また触れること自体が刺激となります。ワックスやスプレーなどの整髪料もニキビ悪化の要因となるため、前髪を上げたり髪をまとめるなど、肌に触れないようにしましょう。
つぶさない
ニキビをつぶすことで雑菌が入り、化膿の要因となります。また皮膚組織を壊してしまう場合もあり、その場合は色素沈着を起こします。症状が悪化したニキビであればあるほど、決してつぶさないようにしましょう。
上記の内容を基に適切なニキビケアを行いながら、じっくり治していくことをお勧めします。さらに、またニキビができる根本原因である体内環境改善のために、食事などのインナーケアも大切です。
肌の乱れは腸の乱れとも言われており、食生活や生活習慣の改善により劇的に回復する事もありますので、ぜひ実践してみてください。
*ニキビには様々な状態があり、その状態によりケアも変化します。次から詳しく学習して行きましょう。