遺伝子コスメとは?
遺伝子コスメとは、DNAや遺伝子に着目し、肌老化に関係するDNAの修復機能や再生能力など、遺伝子レベルでエイジングケアはどこまで再生可能か、について研究された新発想のコスメです。
遺伝子レベルでのエイジングケアについては、すでに30年以上前から行われ、2009年ごろから世界の大手化粧品メーカーから販売がはじまりました。遺伝子は紫外線や加齢により変化することがわかっていますが、まだまだ発展途中の分野でもあります。
ただし、薬機法により「遺伝子コスメ」という表示はできません。
薬機法では広告や表示できる表現は限られており、また角層の範囲内より深い部分への作用については言及できないとされています。そのため、各メーカーの遺伝子コスメの表示は少々分かりにくい点もあり、対面販売のみ可能という製品もあります。
遺伝子コスメの種類
一言で遺伝子コスメと言っても、各メーカーによりその研究やアプローチの方向性には違いがあります。現在は下記の2つの方向性が主流となりつつあります。
DNA修復コスメ
遺伝子による皮膚の設計図は、紫外線の影響により壊されます。通常であれば、ダメージを受けてもDNAは自己修復を行い肌再生を繰り返します。しかし、加齢によりその修復機能が低下することで肌老化が進行していきます。
DNA修復コスメは、低下したDNAの力を外からサポートし、エイジングケアを行うことを目的としています。
幹細胞コスメ
幹細胞は細胞の元になるもので、万能細胞とも言われています。肌には、表皮幹細胞や真皮幹細胞などの存在がありますが、これらの万能細胞も加齢によりその働きが鈍くなります。
幹細胞コスメは、幹細胞の再生能力を高めるために外側からアプローチすることを目的としており、エイジングケア効果が期待されています。
遺伝子コスメの今後
遺伝子コスメの発展には、医学界でのヒトゲノム(ヒトの遺伝子の全体)解析という、医療分野の進歩とそこで蓄積されたデータが美容・コスメ業界でも活用されるようになったという流れがあります。
紫外線などによる肌の老化現象をはじめとした肌トラブルには、遺伝子のダメージも関連していると指摘されており、この遺伝子コスメの発展により修復が可能となれば、一生20代の肌を維持する事も夢ではないかもしれません。
また、遺伝子分野の発展がスキンケアの概念を変える一方で、私たちの体の遺伝子そのものを知りたいというニーズも顕在化してきています。
遺伝子を調べることにより、将来に起こるであろう美容・健康上のトラブルを未然に防ぐというもので、生前の遺伝子検査などもこれに当たります。近年では口腔内の細胞から遺伝子検査を行い、美容やダイエット、健康に役立てるためのデータ解析を行うことも密かなブームとなっています。
まだまだ発展途中の分野ですが、大きな可能性が秘められていることは確かです。