Lesson15-5 カウンセリングシート

カウンセリングはカウンセリングシートを用いますが、これは毎回同じ項目を質問でき、変化が見やすいためです。

カウンセリングシートには、クライエントに記入してもらうものと、ヒヤリングをしながらあなた自身が書き込んでいくものがあります。また、カウンセリングシートとして販売されているものもありますし、自分でWordやExcelなどを利用して手作りすることも可能です。

visivastudio/Shutterstock.com

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カウンセリングシートの必要項目例

下記内容を含めるとベーシックなカウンセリングシートとなります。

①日付と名前や住所などの個人情報

  • 日付
  • 氏名
  • 生年月日
  • 住所
  • 職業
  • 婚歴・・・未婚・既婚

②現在の肌状態

  • 肌質・・・普通肌・脂性肌・乾燥肌・敏感肌・混合肌
  • 肌トラブルや悩み・・・シミ・シワ・ソバカス・ニキビ・ニキビ跡・毛穴トラブル・むくみ・クマなど
  • コスメに対するかぶれやトラブル・・・なし・あり(ありの場合には、その成分やコスメの製品名など)
  • 皮膚科への通院・・・なし・あり(ありの場合には通院歴や症例、外用薬など)
  • 現在使用しているコスメ

③健康状態

  • 現在の体調・・・好調・不調(便秘・下痢・貧血・冷え性・肩こり・不眠・生理不順・高血圧・低血圧・浮腫・その他)
  • アレルギー・・・なし・あり(ありの場合にはアレルギー症状名や外用薬・常飲薬など)
  • 常飲薬・・・なり・あり(ありの場合には薬名前)
  • 肉体疲労と精神疲労・・・疲れやすい・疲れにくい・ストレスを抱えている・あまりストレスを感じない

④生活習慣や環境

  • 睡眠時間と状況・・・一日(  )時間・熟睡できている・熟睡できていない
  • 運動・・・週に( )回
  • 趣味や好きな事
  • 家族構成

⑤食習慣

  • 食事の回数・・・規則正しい・不規則
  • 食事の取り方・・・外食が多い・コンビニや出来合いの総菜が多い・自炊が多い
  • 食事の内容・・・肉類中心・魚類中心・炭水化物中心・野菜中心
  • 嗜好品・・・タバコ(1日  本)アルコール(週  回)甘いもの(週  回)カフェイン飲料(1日  杯)
  • サプリメント

⑥現在のスキンケア手順

  • 日中

 

シートを使用したカウンセリング

最初にクライエントにカウンセリングシートを渡し、必要項目を際してもらった上で、確認しながらヒヤリングを進めて行くとスムーズでしょう。また、氏名や住所などの必要項目のみ記入してもらいヒヤリングを進めながらこちらで記載する方法もあります。

Adam Gregor/Shutterstock.com

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シートを使用したカウンセリングのポイント

  1. 氏名・・・クライエントの名前を頂いたら、必ず「様」をつけて名前を呼ぶようにしましょう。名前を複数回呼ばれることで、親近感を信頼感がアップします。
  2. 生年月日・・・クライエントの見た目の肌年齢の印象と実年齢を比較します。実年齢よりも肌状態がエイジングしているようならその要因を探って行きます。
  3. 職業・・・職業で生活環境が大きく変化するため、クライエントの生活習慣や環境を把握しやすくなります。室内でパソコンを多く用いる仕事の場合には、エアコンによる乾燥や冷房による冷え、肩こりによる血行不良などが何らかの栄養を与えている場合がありますし、営業など外でお仕事をされることが多い場合には紫外線の影響が多いと考えれます。
  4. 婚歴・・・未婚か既婚か、もしくはお子様がいるかどうかによって、生活時間帯やスキンケアにかける事が出来る時間や費用が変わってきます。また、パートナーとの関係は、心やホルモンバランスに大きく影響するため、無理矢理聞き出すのではなく、自然な会話になるようにさりげなく聴いてみましょう。パートナーとの関係が良好だと肌にも良い影響を及ぼします。恋愛相談もカウンセリングの1つのエッセンスとなります。
  5. 肌質・・・肌質の認識は、自己判断では間違っている方が多くいらっしゃり、それによりケアも間違っている場合があります。クライエントに自分の肌質をどう感じているか質問し、実際に肌を確認して肌質を確認して行きましょう。
  6. 肌トラブルや悩み・・・ここがとても大切なポイントです。多くカウンセリングに訪れる人は何かしらのトラブルや悩みを抱えており、解決を望んでいます。もし間違ったスキンケアが原因なら、その間違いを見つけ一緒に美肌を作って行けるような方法を探すことが大切です。ここはしっかりとヒヤリングが必要な部分ですので、トラブルや悩みが出だした時期、そのタイミングで起こった変化が合ったかどうか、解決のために自分で行った方法があるかどうかなど、徹底的に深堀して行きましょう。
  7. コスメに対するかぶれやトラブル・・・コスメに対するトラブルの要因は、特定の成分が肌に合わなかった場合や添加物に反応した場合、また保存状態やお手入れが間違っていた場合など様々な要素があります。同じトラブルを繰り返さない為にも、肌トラブルの原因を把握しておくとアドバイスもしやすくなります。
  8. 現在使用しているコスメ・・・コスメの名前やメーカー、可能であれば成分も確認できるとよいでしょう。使用期間と共に、そのコスメの使用感や肌実感などもヒヤリングします。
  9. 体調・・・カウンセリング時に体調が悪い場合には、室温の調整や飲み物をお出しするなどの心遣いが必要となります。また日常的に抱えている冷えなどの不調は、肌トラブルの要因となることもありますので、しっかり確認しましょう。
  10. アレルギー・・・スキンケアスペシャリストにとって、コスメでのケアと合わせてインナーケアのアドバイスも重要となります。アレルギーなどを持っている場合には、その点を考慮してアドバイスする必要があります。また、お茶などをお出しする際にも参考となります。
  11. 肉体疲労と精神疲労・・・肉体疲労を感じている場合、ストレッチやマッサージなど直接アプローチできる解決法を提案できます。また精神的に疲れが出ている場合には、カウンセリングでのヒヤリングが重要となります。心身共に健康なことは美肌にも繋がりますのでしかり確認します。
  12. 睡眠時間・・・質のよい睡眠は美肌作りには欠かせません。睡眠時間や睡眠状態を確認し、不足がある場合には、その原因を探り解決策を探します。
  13. 運動・・・日々の運動レベルによって、基礎代謝レベルも必要食事量も変化します。運動の量や頻度をヒヤリングしましょう。適度な運動により睡眠の質のアップや血流改善に繋がります。
  14. 趣味や好きなこと・・・自分が好きな事を質問してくれるというのはとても嬉しいことです。楽しい会話のきっかけともなり、共通点を探すことにも役立ちます
  15. 食習慣・・・肌は内蔵を映し出す鏡であり、現在の食生活の把握はとても大切です。食事の内容はもちろん、量や時間帯などもヒヤリングしましょう
  16. 嗜好品・・・現在はいつでも何でも手に入る事が多く、甘いものやお酒、コーヒーなど嗜好品の摂取量が増えています。同時に、これらが肌トラブルの要因となっている事もあります。甘いものの過剰摂取は血糖値上昇により血管を傷づけたりホルモンバランスに影響し、タバコは血液循環を低下させます。またコーヒーや紅茶などのカフェインの過剰摂取は、メラニンを刺激すると指摘されています。嗜好品はクライエントの愉しみの1つでもあるため、無理をせずに肌のためになるようなアドバイスを提案する必要があります。
  17. 普段のスキンケア・・・現在のクライエントのスキンケア方法や使用しているコスメについてしっかり把握しましょう。例えば、クレンジングにかけている時間や方法、洗顔の泡立ての仕方やすすぎ回数、化粧水の付け方、使用量などは大切な要素です。無意識にスキンケアを行っている場合、クライエントがきちんと把握していない場合もありますので、実際に洗顔できる場所で実践してもらいながらヒヤリングする方法はとても有効です。もし間違いや今よりもお勧めの方法がある場合には、肌にふれたり、実際にやってみせるなどして、正しい力加減や手の動かし方などお伝えしましょう。

 

Lesson15のまとめ

  • スキンケアスペシャリストとして活動するためには、まずはしっかりとした知識を修得することが大切である。
  • カウンセリングの基本は、傾聴力と共感力である。
  • 人の肌を見るには、基礎的な知識から幅広いスキンケア・美容知識が必要となる。
  • 肌の状態だけでなく、生活習慣などからも総合的なアドバイスを行う。
  • その人の肌状態や改善方法などをその人にできる方法でアドバイスをしていく。

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