Lesson2-4 乾燥肌

乾燥肌の肌状態

乾燥肌とは、皮脂腺の働きが低下することにより、皮脂の分泌が減少し角質層の水分量が低下している状態を指します。皮膚表面がカサつき角片かくへんが剥がれやすく、さらに進行すると粉を吹いているような状態になることもあります。

角質層の水分量が減少しており、角質細胞内の保湿成分や細胞間脂質が不足しているため、外から与えても水分をキープする力が低く、肌にある水分も逃げやすくなっています。また、肌の代謝低下により、古い角質が蓄積し角層が分厚くなるため、角質による毛穴の詰まりが原因で乾燥ニキビ(大人ニキビ)に繰り返し悩まされる事も多く、お手入れの効果が感じられにくくなります。

さらに、乾燥した肌では保護機能を果たす皮脂膜が薄いために、外界からの刺激を受けやすくなります。かぶれや湿疹などの症状が出やすくなり、また肌の弾力性に欠けます。

女性や高齢者に乾燥肌が多いと言われるのは、加齢や女性ホルモンの分泌量が低下することにより、皮脂分泌が減少するためです。それと比較すると男性は男性ホルモンが多いことにより皮脂分泌が盛んで、脂性肌が多くなります。

Evgeny Atamanenko/Shutterstock.com

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乾燥肌デイリースキンケア

  •  皮膚表面の皮脂がもともと少ないため、洗顔は皮脂を取りすぎないものを使用しましょう。
  • 化粧水は保湿効果の高いものをたっぷりと使用し、油分のあるクリームを重ねることで水分の蒸発を防ぎましょう。
  • 重度の肌荒れの場合には、ビタミンA、ビタミンEが配合されているスキンケアコスメの使用もお勧めです。これらには、皮膚表面を滑らかにする働きがあります。
  • 基本のスキンケアと合わせてマッサージなどを取り入れます。血行を良くすることで、栄養が肌にも行き渡るようにします。

乾燥肌を改善するためには、肌の水分保持力を高めることが重要になってきます。セラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸などの高保湿成分を中心に保湿に力を入れたスキンケアを行いましょう。

角質層が分厚いと保湿成分が浸透しにくいため、スキンケア前はホットタオルで肌をほぐしたり、スチームを浴びながらスキンケアすると肌が柔らかくなって浸透性が高まります。化粧水で水分を与えたら、必ず乳液やクリームを使用し、水分を肌に留めるようなケアを行いましょう。

主な保湿成分

  • ヒアルロン酸
  • コラーゲン
  • エラスチン
  • セラミド
  • 天然保湿因子(NMF)
  • プロピレングリコール
  • グリセリン・・・など

体の内側からのケアとして、食からも血流を促進し代謝を高めていくようにします。
たんぱく質や良質なオイル(オメガ3系脂肪酸、オメガ6系脂肪酸を1:4の割合で摂取することが理想)、βカロテンやビタミンEを中心にビタミンやミネラルを意識的に摂取するようにします。

また、ターンオーバーを促進させるには質の良い睡眠も大切です。

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注意点

肌のバリア機能が低下しているので、肌の刺激になりうる洗浄成分・香料・着色料・防腐剤には注意が必要です。シンプルな配合でつくられたものや、無添加・低刺激表示のあるスキンケアコスメを選ぶようにします。

こまめな保湿ケアは有効ですが、日中のミストでの保湿は肌表面を一時的に濡らすだけで、肌の水分を余計に蒸発させる可能性があります。乾燥でメイクが崩れやすい時は、毎朝のスキンケアの保湿を改めて見直してみましょう。