Lesson14は、販売員に聞いても答えてくれないスキンケアやコスメの実態について一歩踏み込んで学習して行きましょう。
スキンケアスペシャリストとして、本当に意味のあるスキンケアをおこなうためには、メーカーの宣伝や広告に踊らされない知識が必要となります。カウンセリングを行う際にもクライエントから質問を受けることもあるかも知れません。
また、このような情報は日々新しくなって行くため、自分でもアンテナをはり、情報をキャッチするようにしましょう。
1. 日本にはオーガニックコスメの基準がない
食べ物だけでなく、コスメに関しても近年急速に浸透し始めている『オーガニック』という言葉。ヨーロッパやアメリカでは、国によるオーガニック認証機関があり国で統一した基準があります。認証機関の定める基準を満たした環境で有機栽培でつくられた植物を一定の基準に基づき製造された製品であることを証明するためのものです。人々はその認証サインを元に商品を選びます。
また、海外では国の基準だけでなく各団体による基準を定めており、国によってオーガニックに関する基準が異なります。ヨーロッパでは統一の基準を作る試みがありますが、日本にはそもそも国によるオーガニックコスメを認証する基準がありません。日本にも、いくつかの団体による基準は設けられているものの、国で統一された基準があるのは食品に限られています。(有機JAS認定)
日本では、オーガニックと名が付くものは「有機栽培(有機栽培に関する基準は国によって異なります)でつくられた植物を一つでも使用している場合」にその呼称が使われています。罰則規定等も定められていないので、有機栽培によってつくられた植物を少量配合しただけでも、そのコスメはオーガニックコスメとして販売が可能になります。現段階でオーガニックコスメを購入するときは、単にオーガニックコスメと謳われているものではなく、海外の認証機関できちんと認証されたものを選ぶようにしましょう。
*日本での有機野菜認定基準
- 過去2年間、農薬や化学肥料を使っていない土壌で栽培されたもの。
- 化学合成農薬や化学肥料未使用。
- 遺伝子組み換え原料未使用。
*日本オーガニックコスメティック協会(JOCO)
有機JASをベースにオーガニックコスメ規格を策定している民間団体。
*代表的なオーガニック認証機関
Lesson7でも少しご紹介しましたが、復習も兼ねて改めて確認しておきましょう。
フランス ECOCERT
- 1991年設立、フランスの国際有機認定機関。
- 農産物から化粧品など幅広く認証している。
- フランスのみならず、世界の基準として高い評判・信頼を得ている。
- 国際有機認定機関として、世界最大規模の団体。
オーストラリア ACO
- 2002年設立、オーストラリアで最大のオーガニック認証団体。
- 他のオーガニックコスメ認証より基準が厳しい。
- ACO認定を受けたオーガニックコスメは、化学合成成分を使用しない100%天然成分である。
アメリカ USDA
- アメリカ農務省による政府機関。
- アメリカ農務省による基準を元に、認可を受けた認定機関のみが認定を行うことができる。
- 食品基準であるが、この基準を元にオーガニックコスメの認証を行っている場合も多い。