顔には20〜30万個もの毛穴があります。毛穴の数は生まれる前から決まっており、その数は一生変わることはありません。顔は皮脂腺が発達した場所であり、元々毛穴が目立ちやすい部分です。
毛穴ケアのポイントは、①毛穴を引き締める、②毛穴に汚れを詰まらせない、③皮脂分泌をコントロールすることです。このようなケアにより、毛穴の数は変わりませんが毛穴を目立たせなくすることができます。
毛穴トラブル・タイプ別
毛穴のトラブルは、詰まりや黒ずみ、開きなど、いくつかのタイプに分けることができます。そのタイプに合わせたケアが必要となります。
詰まり・黒ずみ毛穴
【症状・原因】
- 皮脂と古い角質が混ざり毛穴をふせぐ角栓となっている。
- 毛穴が集中しているTゾーンに多い。
- 紫外線を浴びると、酸化し黒ずんでしまう。
【対策】
- 酵素入りの洗顔料やシンプルな原料で作られた固形石鹸で洗顔をする。
- 洗顔の前にホットタオルをしたり、お風呂で十分に温めるなどして毛穴を開いてからケアを行う。
- 油である皮脂とたんぱく質である角質を取り除くケアをプラスする。
- ふき取り化粧水を使用し、できるだけ肌に不要なものを残さないようにする。
- 週に1〜2度スクラブ洗顔、ジェルやミルクタイプのピーリング剤、クレイパックを使用し皮脂だけで毛穴のつまりを取り除くケアを取り入れる。
- 皮脂抑制効果のあるビタミンCの中でもAPPS(表示名はパルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)やリン酸型(表示名はリン酸アスコルビル)と呼ばれる成分を配合しているものを選ぶと効果的。
【詰まり・黒ずみ毛穴ケアの注意点】
角栓を取り除くパックを頻繁に使用すると、必要な細胞まで取り除いてしまい、肌を傷つけるだけでなく、無理やり引っ張ることにより毛穴が大きくなります。使い方には注意が必要ですし、現在ではこの方法はあまり奨励されていません。
たるみ毛穴
【症状・原因】
- 加齢による真皮層の老化により、肌表面を支える力が弱まっている。
- 毛穴がしずく型に垂れ下がっている状態。皮膚を斜め上に引き上げると消える場合は、たるみ毛穴である可能性が高い。
- 垂れ下がっているので影になり、毛穴が開いているように見えたり、大きく見えたり、黒ずんでいるように見えてしまう。
- 特に頰に多い。
【対策】
- 真皮層部分を改善する必要がある。
- リフトアップ効果のあるコスメやエイジングケアコスメを積極的に取り入れる。
- 頭皮マッサージを行う。皮膚は繋がっているので、リフトアップに繋がる。
- 洗い流すタイプのピーリングで行う毛穴ケアは、ピーリングによる真皮のコラーゲン増加に効果がある。
- 化粧水をつけるときは、コットンにヒタヒタになるくらいの化粧水をつけ、下から上へと空気を送り込むようにパッティングする。
- コラーゲン生成を促すレチノール(目元専用クリームとして販売されている場合が多い)や真皮層の再生効果が期待できるFGFなどの成分が高濃度に配合されたものを選ぶと効果的。
- レチノールが刺激に感じる場合はビタミンCに変えてみる。
開き毛穴
【症状・原因】
- 皮脂の過剰な分泌により毛穴が広がってしまい、毛穴が目立っている状態。
- 毛穴が大きいので汚れや皮脂も詰まりやすい状態である。
- 赤ら顔の脂性肌やインナードライ肌タイプに多く、生まれつき皮脂腺が多い場合がある。
【対策】
- 皮脂分泌が多いため、こまめに優しく皮脂を取り除くようにする。
- 化粧水以降のお手入れでは、皮脂コントロール力のあるビタミンAやビタミンCが配合されたものを選ぶと効果的。
- 体の中からビタミンB1・B2を摂取し、皮脂をコントロールしていくとよい。皮脂腺の肥大化を抑える成分としてダイズエキスも有効。
- 男性ホルモンの過剰な働きを抑えるために、アロエベラエキスやジオウエキスなどの植物成分も効果的。
- どうしても毛穴の開きが気になる場合は、美容皮膚科でのフラクショナルレーザー治療が有効。
【開き毛穴ケアの注意点】
遺伝的要因により、もともと皮脂腺が多く毛穴が大きい方の場合は、毛穴用のスキンケアコスメを使っても効果は感じにくいでしょう。毛穴パックは余計に毛穴を目立たせてしまい逆効果になる可能性もあります。
これ以上、毛穴の大きさを広げないためにも、洗顔・保湿・紫外線対策は一年を通して抜かりなく行うことを心がけましょう。
それぞれの毛穴トラブルタイプに共通して行えるケアとしては、保湿が挙げられます。毎日のスキンケアで十分な保湿を行いましょう。皮脂分泌もコントロールしやすくなり、細胞の水分含有量が多いと、ふっくらとして毛穴が目立ちにくくなります。