Lesson4-2 肌トラブルの根本原因② ホルモンバランス

私たちの身体では日々多くのホルモンが分泌され、それぞれのホルモンがバランスを保つことで身体の機能を維持しています。しかしこのホルモンバランスが崩れると、肌トラブルの要因ともなります。

特に意識したい生体ホルモン

エストロゲン(卵胞ホルモン):女性ホルモンの一つ

  • 月経後から排卵日にかけて増加する。
  • コラーゲンの生成を促進し、肌にハリを与える。
  • 分泌量には限りがあり、ストレスによりその分泌が低下する。

プロゲステロン(黄体ホルモン):女性ホルモンの一つ

  • 排卵後から増加する。
  • 体温を上げ、皮脂の分泌量を増やす
  • 分泌量には限りがあるものの、ストレスによりその分泌が低下する。

成長ホルモン

  • 大人になってからは、細胞の修復や再生を行う。
  • ダイエットにも関わる重要なホルモンである。
  • 起きているときは分泌が抑えられ、睡眠時に分泌量が多くなる。(特に最初の3時間に多く分泌される。)
  • 血糖値が高い状態では分泌されず、空腹時に分泌量が多くなる。

 

女性ホルモンと周期

女性ホルモンには卵胞ホルモンと呼ばれるエストロゲンと、黄体ホルモンと呼ばれるプロゲステロンの2種類があります。これらは両方とも卵巣から分泌され、月経などを約28日周期で繰り返しています。

この周期は卵胞期、排卵期、黄体期、月経期の4つに分ける事が出来ます。

  • 卵胞期・・・エストロゲンの分泌量が多くなり、肌の調子が良くなります。エストロゲンにはコラーゲン生成を促す作用があり、肌の水分量も多い時期です。
  • 排卵期・・・最も女性らしい体つきになり、肌状態も体調も絶好調になるのがこの排卵期です。最も妊娠しやすい時期であり、女性としての魅力が高まります。
  • 黄体期・・・プロゲステロンの分泌が多くなり、体温が上昇し始めると共に、心身が不安定になり始めます。この時期はいろいろな物を溜め込みやすく、肌トラブルも起こりやすくなります。
  • 月経期・・・エストロゲン、プロゲステロン共に分泌量が低下し、肌がデリケートになります。乾燥や肌荒れが起きやすく、精神的にも不安定になりがちです。

ホルモンバランスと肌状態

月経前にニキビができやすくなるのは、プロゲステロンが優位になるためです。プロゲステロンは、皮脂の分泌を促す作用や水分を溜め込みやすい特徴があります。その結果、ニキビやむくみ、血行不良を引き起こします。

その他にも不規則な生活を送ることによっても、肌荒れの原因としてよく耳にする「ホルモンバランスの乱れ」が生じます。

自律神経とホルモンバランスは密接な関係にあり、ストレスを抱え込み自律神経のバランスを崩すと、ホルモンバランスにまで影響を及ぼします。ストレスによるホルモンの乱れはシミの原因になり、睡眠不足により女性ホルモンのエストロゲン分泌量が減少し肌のハリ・弾力が不足します。

Pressmaster/Shutterstock.com

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女性ホルモン以外のホルモン

ホルモンは、女性ホルモンに限らず肌に影響するものも多くあります。肌の再生などを担当する成長ホルモンは、質の良い睡眠がないと分泌量が減少し、また満腹状態が続いたり、糖質が多い食事を続けていても分泌量が減少します。

体内には私達の生体機能をコントロールするためのホルモンがいくつも存在しますが、ホルモンの分泌・バランスを保つには、規則正しい生活とストレスをためないような毎日の過ごし方が欠かせません。この辺りについては、Lesson9の肌とリズムでも学習していきます。