Lesson3では代表的な肌トラブルについて、それぞれの症状によるタイプの違いや原因、対策などを学習してきました。症状に合わせた対策はもちろん重要ですが、そもそも肌トラブルの根本原因にはどのようなものがあるのか、それを修得することで、トラブルを起こしにくいスキンケアが出来るようになります。
Lesson4では、肌トラブルの根本原因についてしっかり知識を深めて行きましょう。
肌に合わないコスメの使用
肌トラブルを引き起こす要因として大きな割合を占めているのが、肌に合わないコスメを使用することにより生じるトラブルです。
コスメと一言で言っても、クレンジンングからメイクアップコスメまで実に多くの種類があります。例えば化粧水のように「潤して水分を補給する」という効能や目的が同じ物でも、肌状態により成分やタイプなど自分に合ったコスメを選ぶことができます。その一方で、自分の肌に適さないコスメの使用により肌になんらかのトラブルが生じる可能性もあるのです。
自分の肌タイプを知らずに行うケアは逆効果
例えば、乾燥肌の人が脂性肌用のコスメを使用している場合をイメージしてみましょう。肌の水分量が減少している肌に必要なのは「保湿作用」であり、脂性肌用のコスメに多く含まれている「殺菌作用」や清涼感を与える「アルコール成分」などは必要ありません。
そのため、使用を続けることにより肌の乾燥がより一層進行することになります。
日本人女性に混合肌が多い事も、スキンケアコスメによる肌トラブルを引き起こしやすいひとつの要因です。混合肌は自分で肌質を見極めにくいためです。また、テカリやニキビができやすいために皮脂を取り除くケアを行っていたが、実は皮脂分泌の過剰は乾燥によるものだった、という場合も意外に多く、これは脂性肌ではなくインナードライ肌となります。
このような間違ったケアを避けるためにも、自分の肌状態を知っておく事、また季節や環境、ホルモン分泌の変化により肌質が変化することなども、しっかりと把握しておくことが大切です。
コスメの使用を控えるタイミング
- かゆみ、赤み、腫れ、ヒリつきなどいつもの肌状態と異なる時。
- 今まで感じなかった肌トラブルが生じ、数日しても改善されない時。
- その他肌の異常を感じた時・・・など
*Lesson8-1で学習する肌断食など特別なスキンケア方法に取り組んでいる場合には、上記のような症状が出ることもあります。これは好転反応と言われる正常な反応ですので、その場合にはしばらく様子を見る様にしましょう。
肌に合うかどうかを適切に見極め、このようなトラブルを適切に見つけるためにも、コスメアイテムを変えるときはホルモンバランスが乱れやすい月経前、月経中は避けましょう。肌の異常を感じた場合は、以前使用していたコスメまたは、低刺激のコスメを使用するようにします。
間違ったコスメの使用法
肌質に合うコスメを使用していても、その使用方法が間違っている場合には、肌トラブルの原因となります。間違った使用法では効果を十分に得られません。
特に、クレンジングや洗顔は不適切なケアを行いがちです。(Lesson6のクレンジング部分で詳しく学習します。)
オイルタイプのクレンジングはメイクとの馴染みが良く、短時間でメイクを落とす事が可能ですが、使用量が適量より少ないと肌と手の間には薄い油分しかないため、肌をこすりやすくなります。摩擦が生じると、メラニン色素の生成や、必要な皮脂や細胞間脂質まで洗い流されてしまうこととなり、肌トラブルの原因となります。
さらに、ポイントメイクの専用リムーバーを使用しないクレンジングもトラブルの原因となります。洗浄力の強いオイルタイプのクレンジング剤は、落ちにくいウォータープルーフマスカラやアイライナーも一度で落とすことができ便利ですが、マスカラの繊維やアイライナーのラメ成分などが肌全体に広がり、摩擦が生じやすくなります。濃いアイメイクを落とすための専用のリムーバーがあるのは、このような肌全体への負担を減らすためでもあります。
肌質に合ったスキンケアコスメを適切に見極め、正しい使い方をする
どんなに効能の高い成分が含まれる高級なスキンケアコスメであっても、自分の肌質に合っていなかったり、間違った使用法では期待する効果は得られません。
正しいケアを修得するためにも、スキンケアスペシャリストとしてしっかりとした知識と観察、柔軟な判断が必要とされています。