Lesson4-3 肌トラブルの根本原因③ 自律神経の乱れ

自律神経とは

自律神経とは、自分の意思とは関係なく、刺激や情報に反応して、体の機能をコントロールしている神経のことです。

手足を動かしたり、意識して何かを見るために眼を動かしたりという行動は意識すれば自由に行うことができますが、逆に、腸や心臓を動かしたり、血液を流すことは意識してもできません。このように「意識しても自由にできないこと」のほとんど全ての管理を自律神経が司っています。

自律神経の働き

  • 内臓を動かす
  • 血液を流す
  • 栄養を吸収する
  • 老廃物を回収する
  • ホルモンを分泌する・・・など

 

交感神経と副交感神経

自律神経は、交感神経と副交感神経から成り、脳の視床下部ししょうかぶで形成されます。この2つは正反対の働きをし、交感神経をエンジンのアクセルに例えると、副交感神経はブレーキの役割を担います。

交感神経

主に日中、仕事・家事・育児・運動・勉強などの活動している時や緊張している時、ストレスを感じている時に働いていています。心拍数が増加し、筋肉に力が入りやすく、血管は細く収縮します。交感神経が働いている状態は、何らかの刺激に対してすぐに反応できる体勢です。

副交感神経

主に夜、眠っている時が働きのピークとなり、その他食事中や入浴時、リラックスしている時に働いています。心拍数は落ち着き筋肉もゆるみ、血管も弛緩します。副交感神経が優位な状態となると、胃や腸などの消化器系の動きが盛んになるのも特徴で、栄養の吸収や老廃物の排出といった新陳代謝、疲労の回復、ケガなどの修復を行い、健康な身体を維持するための重要な時間となります。

それぞれにメリットがありますが、2つのバランスが崩れアクセルとブレーキの使い分けがうまく行われないと、体内時計やホルモンバランスなど様々な機能が狂うことにより、生活のリズムが崩れいろいろな不調が現れます。

自律神経のバランスが崩れることで生じる不調

  • 肌荒れ
  • 冷え性
  • 頭痛
  • 肩こり
  • 便秘
  • イライラ
  • 疲れ
  • 不眠
  • 鬱・・・など
Juta/Shutterstock.com

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自立神経のバランスと肌状態

現代の私たちの生活はストレスが多く、さらに夜遅くまで活動できるようになったため、交感神経優位になりがちです。そのため、夜眠っていても副交感神経の働きが優位にならず、熟睡できないために、細胞再生の働きができなかったり、ホルモンが分泌されない状態となります。

交感神経は、血管を収縮させるため血行も悪くなり、リンパの流れも悪くなります。そのため、肌色がくすむ、栄養の運搬が行えない、老廃物が溜まるなどで代謝も滞ってしまいます。これが肌トラブルの原因となるのです。

 

自律神経のバランスを整える

交感神経と副交感神経は、どちらが優位になりすぎても好ましくありません。この2つがうまくバランスを保ちながら生活できることが重要です。働くときは働く、遊ぶ時は遊ぶ、リラックスするときはリラックスをするといったメリハリのある行動により、2つのスイッチがうまく切り替わるようになります。

また、ストレスを完全になくすことは難しいですが、上手く発散させる方法を身につけておくことが結果的に肌トラブルの改善にも役立ちます。

自立神経を整えるための方法

  • ゆったりと腹式呼吸をする
  • 口角を上げて笑顔をつくる、よく笑う
  • 爪もみマッサージをする
  • ゆっくり湯船につかるようにする
  • 寝る前にリラックスできる音楽やアロマを楽しむ時間を作る
  • 電子機器は就寝1時間前には使用をやめ、十分な睡眠をとる