Lesson5-1 スキンケアコスメに期待できる効果・作用

この章ではスキンケアコスメ配合されている成分について学んでいきます。毎日大切な肌に使用するスキンケアコスメについて、配合成分がわからないまま使用するというのは、少し考えれば不思議なことです。

コスメ成分についてきちんと理解し、自分の肌に応じたコスメを選択できるようになりましょう。

 

スキンケア用品の分類

スキンケア用品の取り扱いに最も大きく関わる法律は「薬機法(旧:薬事法)」です。化粧品はこの法律によって、品質や有効成分が規定され、安全性が守られています。

化粧品

「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」
薬機法第2条第3項より

上記のように法律的解釈によると、化粧品とは、身体に塗るなどして使用し、それにより見た目を変える事ができ、作用は穏やかなもの、と解釈されています。

化粧品は、薬機法で定められた基準にそって作られる必要がありますが、現在では、使用が制限・禁止されている一部の成分を除き、基本的にその製造は自由となっています。化粧品の製造販売は、製造販売業者登録のある都道府県に届出を提出することで可能となり、特別な承認は必要ありません。

その一方で、配合成分の全成分表示義務が課せられており、製品の安全性は化粧品製造販売業者が責任を持つことになります。また、医薬部外品に認められている「肌荒れ・荒れ性」「にきびを防ぐ」「皮膚の殺菌」などの効能・効果表示は化粧品には認められていないため、パッケージにそのような効能を表現・表示することはできません。

化粧品とは

  • 肌に対する効果・作用が緩和である。
  • 化粧品全体として保湿・保護などの効果が期待される。
  • 全成分表示義務があり、配合量の多いものから順に記載されている。(配合量が全体の1%未満の成分や着色剤に関しては順不同で記載することが可能)
  • 基本的に届け出を行えば自由に製造できる。
  • 効能などの表現・表示はできない。

医薬部外品

医薬部外品とは、厚生労働省が許可した効果・効能に有効な成分が、一定の濃度で配合されているものとなります。

医師が処方する必要がある医薬品と、自由に製造できる化粧品の間という位置づけとなっており、化粧品として期待される効果に加えて、「肌あれ・にきびを防ぐ」、「美白、デオドラントなどの効果を持つ」などの、厚生労働省が許可した「有効成分」が配合されていれば、医薬部外品として販売して良いという事になっています。

医薬部外品には、「薬用化粧品」の他に、染毛剤、パーマネント・ウェーブ剤、浴用剤、口中清涼剤やえき臭防止剤、あせも防止などてんか粉、育毛剤、除毛剤などがあります。また薬機法改正により、これまで医薬品に分類されていたビタミン剤や尿素クリーム等が新たに加わりました。

成分全表示が義務化されている化粧品とは異なり、医薬部外品は日本化粧品工業連合会など業界団体の自主基準において成分表示をしている、という違いもあります。またこの表示方法においては、有効成分が1%しか配合されていなくても100%配合されていても、「○○(有効成分)配合」「○○(効能)に効果あり」という表示が可能となります。

医薬部外品とは

  • 厚生労働省が許可した有効成分が配合されている。
  • 自主基準で成分表示(順不同)を行うため、配合量や配合成分が不明な場合もある。
  • 医薬品ではなく、おだやかな薬理作用が期待できる。
  • 「薬用化粧品」とは、医薬部外品の一部である。

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