Lesson6-1スキンケアの基本① クレンジングの使い分け

ここまで、皮膚の構造は肌のタイプ、それに合わせたケアやスキンケアコスメの成分について、様々な学習を進めてきました。ここからは今までの知識を活用しながら、スキンケアの実践を基本から改めてマスターしていきます。

スキンケアを行う際は、何のために行っているのか、どんな効果が期待できるのかを知っておく必要があります。そうすることで、肌に合っているのか、求める効果が得られているのか判断しやすくなります。また、同じスキンケアコスメでも間違ったスキンケア方法は肌を傷つける可能性があります。

スキンケアコスメの正しい使い方も合わせて身に付けていきましょう。

 

クレンジング

クレンジングの目的

クレンジングは、皮脂やメイクなどの油溶性の汚れ落とすために行うスキンケアです。そして、スキンケアにおいて最も重要視されるケアでもあります。

1日過ごした肌には、メイクだけでなく、皮脂やホコリ、汚染物質などが混り付着しています。そのまま放置しておくと皮脂の酸化や雑菌の繁殖により過酸化脂質肌が作られ、肌に刺激となることもあります。また、乾燥や色素沈着の原因ともなりかねません。

ノーメイクや薄いメイクの方はクレンジング剤なしで洗顔料のみの使用でも汚れを落とすことはできますが、崩れにくいファンデーションや落ちにくい口紅、ウォータープルーフのマスカラを使用したしっかりメイクの日には、1日の汚れやメイクをクレンジング剤で落とす必要があります。

クレンジング剤には様々な特性があり、それにより合う肌質なども異なるため、しっかりその特性も押さえていきましょう。

TopKatai/Shutterstock.com

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〜how to 基本のクレンジング〜

  1. 手を清潔にしクレンジング剤を適量とる。
  2. 皮脂の多いTゾーン(額〜鼻にかけて)から肌にのせる。
  3. Uゾーン(フェイスライン・頬)にのせる。
  4. 最後に最も皮膚の薄い目元や口元にのせる。なるべく指に力を入れずにくるくると肌に伸ばし、なじませていく。
  5. ぬるま湯を少量手にとり、顔についたクレンジング剤となじませる。こうする事で油性のクレンジング剤が乳化し、すすぎ残ししにくくなる。
  6. 乳化させ白くさらっとした状態になったら、たっぷりのぬるま湯でよくすすぐ。必要な場合はその後ダブル洗顔を行う。

※ダブル洗顔不要と書かれている場合は、クレンジング後化粧水をつけます。
※目元や口元のメイクが濃いときは、先に専用のメイクアップリムーバーでオフしておきましょう。

 

クレンジング剤の種類

クレンジング剤の元となる成分は油分と水と油をなじませる働きをする界面活性剤、水・水溶性成分です。油分と界面活性剤、水・水溶性成分の配合を変えることで、様々な形状のクレンジング剤を作ることができます。

クレンジング剤を選ぶときは、メイクの濃さに応じてアイテムを使い分けることで肌への負担を軽くすることもできます洗浄力は油分よりも界面活性剤の配合量で変わってきますので、それぞれの特性をマスターしましょう。

 

クレンジングオイル

洗浄力:強

特徴

  • 洗浄成分のメインはオイルで、水とオイルをなじませるために界面活性剤が使われる。

メリット

  • メイクとの馴染みが早いので短時間でクレンジングできる。
  • ウォータープルーフのメイク・リキッドファンデーション・日焼け止め(UVケアコスメ)時に適している。

考慮点

  • オイルの残留をなくすためにW洗顔が必要な場合が多い。
  • 洗浄力が強く、必要な皮脂まで洗い流してしまう場合もある。

クレンジングリキッド

洗浄力:強

特徴

  • 水ベースに油分溶解成分が配合されている。
  • 油分を含まない分、界面活性剤の配合量が多くなる。

メリット

  • オイルの残留感がなくさっぱりと洗い上がる。
  • W洗顔不要のものもある。
  • ウォータープルーフのメイク・リキッドファンデーション・日焼け止め(UVケアコスメ)時に適している。

考慮点

  • 合成界面活性剤の配合量が多いため、必要な皮脂まで洗い流してしまう場合が多く、乾燥肌の原因となる可能性がある。

クレンジングジェル

洗浄力:リキッドと同程度または少し穏やか

特徴

  • 商品によってオイルフリーのもの、オイルインのもの、油性ジェルタイプに分かれる。

メリット

  • オイルフリータイプは、界面活性剤による洗浄成分のみでメイクを落とすため、オイルインタイプよりもメイクの落ちは低下するものの、さっぱりとした洗い上がりになる。
  • オイルフリーのものはまつげエクステ中でも使用できる。
  • オイルインタイプは、界面活性剤と油分を配合しているので、メイクの落ちは優れている。
  • 油性ジェルタイプは、オイルをジェル状にしたもので、洗浄力に優れている。
  • ジェル状なので摩擦による肌への刺激を最小限に抑えられる。
  • ジェルタイプにもよるが、ウォータープルーフタイプのメイク以外なら基本的に落とすことができる。

考慮点

  • ジェルタイプにはオイル配合のものとそうでないものがあるため、よく成分を確認してから使用する。オイルが入っているものはまつげエクステをしている方が利用すると外れてしまう場合もある。

 

クレンジングクリーム

洗浄力:やや穏やか

特徴

  • 油分が水分より多く配合されている。

メリット

  • こってりとしたテクスチャーで肌への摩擦を軽減できる。
  • ウォータープルーフタイプのメイク、リキッドファンデーション、目元・口元のメイク以外は落とせる。
  • 洗浄力が強すぎず、肌に必要なものまで落とさずに済む。

考慮点

  • メイクになじむのに時間がかかる。
  • W洗顔が必要なものが多い。

 

クレンジングミルク

洗浄力:穏やか

特徴

  • 水分、油分、界面活性剤どれもバランス良く配合されている。
  • 目元・口元のクレンジング力は期待できないので、ポイントメイクとは別に使う。

メリット

  • 肌への摩擦を抑え、汚れのみを落とすので肌に優しい。
  • パウダーファンデーション、BBクリームやルースパウダーならクレンジングミルクで落とせる。

考慮点

  • 洗浄力がやや弱いのでメイクと馴染むには時間がかかる。

 

クレンジングウォーター

洗浄力:中

特徴

  • コットンに染み込ませて拭き取る形で使用する。
  • ウォーターと名前がつくものの、水ではなく界面活性剤でクレンジングする。

メリット

  • 界面活性剤は強力な洗浄成分のため、同時に保湿成分も含み、一つでクレンジングから化粧水効果を果たす。
  • 種類によって敏感肌や乾燥肌でも使える。

考慮点

  • 摩擦による肌への負担がある。
  • W洗顔が必要なものとそうでないものがある。

 

クレンジングシート

洗浄力:中〜強

特徴

  • シートに洗浄成分が染み込んでいるので、拭き取るだけでメイクを落とすことができる。
  • オイルタイプや洗い流し不要タイプ、低刺激タイプがある。

メリット

  • 製品を取り出してから拭き取るだけでよく、すすぎも必要ないため、忙しい日には手軽に使用できる。
  • 外出先でも場所を選ばずに使用できる。

考慮点

  • 便利だが、毎日の使用は肌への大きな負担となる。

 

タイプ別に大まかに分類しましたが、製品により洗浄力や特徴などは異なります。 オイルタイプやリキッドタイプは比較的早くメイクオフすることができますが、メイクを落とす時間が短いものは、それだけ強力なクレンジング成分が使われています。クレンジングは、メイクの濃さに応じて選べるよう複数用意しておくといいでしょう。

毎日しっかりメイクをする場合は、ポイントリムーバーは必須アイテムです。一見使い分けは面倒に感じますが、これにより肌の負担やまつげ負担などを減らす事が出来ます。

 

洗浄力の強さは、だいたい以下の順になりますので、参考にしてみてください。

(弱い)

  1. クレンジングジェル(水性)
  2. クレジングミルク
  3. クレジングクリーム
  4. クレジングジェル(油性)
  5. 泡クレンジング
  6. クレンジングオイルリキッド
  7. 拭き取りタイプ

(強い)