Lesson6-2 スキンケアの基本② クレンジングの注意点

クレンジングを行うときの注意点

クレンジングはスキンケアにおいて、最も重要と言っても過言ではありません。適切に汚れを落とさなければ、その後に使用するスキンケアアイテムの成分が浸透せず、だからといって洗浄力を重視しすぎては肌に必要なものまで落としてしまうからです。

クレンジングを行うときには、特に下記の3つの注意点があります。

  1. 肌にかける力加減
  2. クレンジングにかける時間
  3. すすぎを行う水の温度

 

①肌にかける力加減

1つ目に大切なのは、肌をこすらないことです。

「メイクを早く落としたい、しっかり落としたい」との思いから肌をゴシゴシこすってしまいがちです。また、近年は肌への負担を考慮し、肌に優しい洗浄力の穏やかなクリームやミルクタイプを使用している方も多いですが、短時間でクレンジングしようとすると思うようにメイクが落ちず、逆に肌を擦る原因にもなりがちです。

こすってはいけない理由の1つは、私たちの皮膚の薄さです。ばっちりメイクをする目元ですが、その肌は顔の皮膚の中でも薄く0.5〜0.6mmほどで、これはゆで卵の薄皮ほどの厚さしかありません。さらに肌のバリア機能部分の厚みは0.02mmと、非常に薄くデリケートなものです。

強い刺激は肌を傷つけてしまいバリア機能を低下させてしまいます。摩擦が生じると、肌は自身を守ろうとメラニン色素を生成し出します。メラニン色素が蓄積されると色素沈着やシミの原因になります。また、ゴシゴシこすることで肌に必要な潤い成分までクレンジングで落とされてしまい、肌の乾燥を招いてしまいます。

クレンジング剤の量が少ないと、力が入りやすく手と肌の間に摩擦が生じやすくなりますので、クレンジング剤はもったいないと思わず適量を使用しましょう。

また、肌のためを思って穏やかな洗浄成分のクレンジング剤を使用する方も増えていますが、時間がない時に慌ててクレンジングすると思うようにメイクが落ちず、力を込めてしまいがちです。時間がなくササッとクレンジングしたいときは、洗浄力の強いクレンジングを使い短時間でメイクを落とす方が、摩擦が少なくなります

 

②クレンジングにかける時間

2つ目は、クレンジングにかける時間の長さです。

クレンジングの時にマッサージも兼ねて行う人や、長い時間をかけた方が毛穴の奥深くの汚れまで落とせると思っている人も多いのですが、これはNGです。

レンジングはあくまでもメイクを落とすことが目的であり、長時間肌にのせておく事を想定していません。洗浄成分や界面活性剤の影響によりメイクや汚れだけでなく、肌に必要な皮脂や肌内部の潤い成分を溶かしメイクと一緒に洗い流してしまいます。これは乾燥などの原因となります。

クレンジングにかける時間は、基本的に1分以内で済ませるようにしましょう。この時間内に、優しくなでるように手を滑らせるだけでクレンジングできるようなメイクアイテムとクレンジング剤選びも大切です。肌に優しいクレンジング剤を使用したい場合は、メイクもナチュラルコスメを選び、しっかりメイクをしたい日は洗浄力のあるクレンジング剤を使用するほうが肌への負担は少なくなります。

 

③すすぎを行う水の温度

3つ目は、洗い流す水の温度です。

「クレンジング剤のヌルつきをなくすため」「洗浄力を上げるため」と、熱い温度で顔をすすぐ方もいますが、これでは肌にとって必要な皮脂や潤い成分があっという間に奪い取られてしまいます。特に冬は無意識に温度が高いお湯ですすぎや洗顔を行いがちですので注意が必要です。

肌質によって洗い流すときの水温は変わってきますが、32度〜高くても36度(体温)までにしましょう。乾燥肌の場合、温度が高すぎると皮脂が流されやすくなるため、32〜34度のぬるいなと感じる温度ですすいでみてください。脂性肌の場合、皮脂のバランスが過剰になっているので、乾燥肌温度(32〜34度)〜やや高めの35、6度が最適です。

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TORWAISTUDIO/Shutterstock.com

 

入浴時にメイクを落とす際は、温度が高くなりがちですので特に注意しましょう。逆に冷水でのクレンジングのすすぎは、落とす力が低下し、メイク成分だけでなくクレンジング成分もきちんと落とすことができないため、適していません。すすぎはぬるま湯が基本です。

洗い流す水の温度

  • 乾燥肌・・・32℃〜34℃。少し低めの温度で。
  • ノーマル肌・・・32℃〜35℃あたりが適温。
  • 脂性肌・・・32℃〜36℃。すこし高めでもOK。

 

正しい使い方を把握することがクレンジングの基本

スキンケアはコスメの性能に目がいきがちですが、それぞれの特性や肌質をよく理解して適切に使用しなければ、逆効果になってしまうこともあります。

クレンジングはメイク成分を落とすために行うスキンケアです。その目的とクレンジングアイテムの力を最大限活用しながら、肌に負担をかけないケア方法を身につけていきましょう。