Lesson8-7 マッサージ美容法・リンパマッサージ/ツボ

リンパの働き

血液と合わせて循環器系の1つと考えられているリンパ系は、全身を巡り体内の老廃物を集めろ過する下水道のような働きをしています。静脈にそって全身に張り巡らされたリンパ管は免疫機能の中枢を担っているとも言われており、とても重要な役割を果たしています。

リンパ管には血液のようにポンプ機能がないため、筋肉やリンパ管の近くの動きを利用して押し出されています。そのため、筋肉が緊張している時間が長いとリンパ液の循環が悪くなり、むくみや冷えが生じます。基本的に、左右の鎖骨下にあるリンパ管を目指してリンパを流します。

Norwayblue/Shutterstock.com/ Adapted.

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フェイスリンパマッサージの実践方法

必ずクリームやオイルをつけ肌への摩擦負担を減らします。両手で行い、力は入れず、やさしくさする程度で行います。かっさマッサージの経路と同じです。

  1. こめかみから下に向けて耳の前を通り、耳の付け根下部までこする。
  2. アゴの中心から耳の付け根下部に向かってこする。
  3. 鎖骨のくぼみを内側から外側に向けてこする。
  4. 額は眉間を中心に扇状に生え際に向けてほぐす。
  5. 目尻からこめかみに向けてほぐす。
  6. 小鼻の横からこめかみに向けてほぐす。
  7. 口角から耳の付け根に向けてほぐす。
  8. アゴの中心から耳の付け根下部に向かってこする。
  9. 集めた老廃物を耳の下を通し鎖骨に流す。

 

ボディリンパマッサージの実践

顔だけでなくリンパ系は全身に張り巡らされています。特に上半身にリンパ管が集まった大きなリンパ節が多く、この部分を意識することでリンパの流れを良くして行きます。

主要リンパ節

  • 頸部けいぶリンパ節(首のつけね)
  • 鎖骨リンパ節
  • 腋窩えきかリンパ節(ワキ)
  • 腹部リンパ節
  • 鼠蹊そけいリンパ節・・・など

末端から中心に向かってマッサージしたら、各ポイントのリンパ管までしっかり流すようにしましょう。

chombosan/Shutterstock.com

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ツボ

マッサージが難しい場合は、ツボを押すことで血行促進効果や・リンパの流れを良くする効果が期待できます。ツボ押しは東洋医学的な考え方も含まれており、そのツボの位置は医学的知識の源流によって多少異なりますが、スキンケア時に行うと有効成分の浸透も高まる点では共通しています。

肌に垂直に刺激するため摩擦などが起こらず、肌を傷める心配もないため、押して気持ちがよいところを探しながら実践してみましょう。

アンチエイジング効果のあるツボ

  • 頬車きょうしゃ:フェイスラインの耳の下あたり。口を開けるとくぼむ部分。たるみに効果的。
  • 瞳子髎どうしりょう:目尻のくぼみ部分。クマや額ニキビに効果的。
  • 球後きゅうご:目尻から4分の1の骨のくぼみ部分。たるみ・目元の小じわに効果的。
  • 四白しはく:目の下中央から親指一本分下部分。顔全体のむくみ、シワ、くすみに効果的。
  • 魚腰ぎょよう:眉毛の中央のくぼみ部分。たるみ・目元の小じわに効果的。
  • 百会ひゃくえ:頭の頂上。鼻の先端から頭上に伸ばしたラインと、耳の先端を伸ばして交わる部分。血行促進がある。

 

Lesson8のまとめ

様々な美容法について学習してきましたが、どれにおいても共通して大切なことはメリットとデメリットの双方を把握し、きちんと正しいやり方で行うことです。また、肌質により効果の出方も変わりますので、肌質の判断も欠かせません。

また、これまでと異なったスキンケア方法を試すときは、体調不良や妊娠時、生理前など、肌が安定しない時期を避ける事も大切です。

スキンケアスペシャリストとして、知識をしっかりと修得した上で実践するようにしましょう。

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