Lesson9-1 美肌に欠かせない正しい食事とは

Lesson9では、肌と体の関係について学習していきます。

インナービューティーという言葉も広く知られるようになってきましたが、肌は体の一部であり、体内にある様々な臓器と同様の体内器官です。肌状態の乱れは、体内の様々な器官の乱れの現れとも言われるほど、体内と肌の関係は密接なものとなります。肌を健やかに保つには、外側からのスキンケアはもちろん必要ですが、体の内側からのケアも大切です。

美肌のためのインナーケアに必要な知識を、食べ物の栄養素や腸との関係を中心に学んでいきましょう。

Antonio Guillem/Shutterstock.com

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肌と食べ物の関係性

食事のバランスの重要性

私たちの体は約60~100兆の細胞で出来ており、肌をはじめとするその細胞一つ一つは私たちが毎日口にするものによって作られています。炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルという5大栄養素に加え、現代では食物繊維、ファイトケミカル、酵素、水を加えた9大栄養素が若々しく活力のある生活には必要となります。

食べ物に含まれる栄養素だけを考えるのではなく、私たちの体内でその食べ物や栄養素がどのように働くかまで考慮しバランスの良い食事をすることで、体のバランスも整い代謝が正常なサイクルで行われ、元気な細胞が育ち、肌の調子も整います。

栄養バランスのもたらす肌への影響

何らかの栄養が不足しても過剰になっても、細胞をはじめ様々な生体機能のバランスが崩れ始めます。代謝やバリア機能の低下が起こり、肌も健やかな状態を維持できません。

現代は飽食の時代と言われ、いつでもどこでも食べ物が手に入るようになりました。特に日本は24時間営業のコンビニエンスストアやスーパーがいたる所にあり、安価な食べ物が手に入ります。しかしその手軽さと安さの代償として、「新栄養失調」といわれる症状も多くなっています。カロリーは必要摂取量に十分に足りているのに、その栄養素を見てみると体のデトックスや維持に必要な微量栄養素や酵素が不十分で、体の機能が十分に果たせない状態を指す言葉です。一見肥満体型なのに栄養失調という状態が起こります。

食事は、一日3回食事の時間がきたから、ただ口寂しいから、目の前に食べ物があったから、という理由で食べるものではありません。体が本当に必要としているものを食べることが大切です。欲している(want)のではなく、必要としている(need)ものを食べることが自然にできるようになると、自然と腸が綺麗になり、太りにくく、肌の調子も整ってきます。食べ物によって、肌は左右されることを知っておきましょう。

 

「脳が欲しがるもの」「体が必要としているもの」

無性に甘いものが食べたくなる、どうしても脂っこい食べ物がほしくなる、スナック菓子が欲しくなり夜中に買いにいく…などなど。多くの人がそのような経験を持っています。動物には三大欲求があり、食欲もその1つです。ただし現代人にとって注意しなければならない事は、「その食欲は脳によって騙されているものではないか?」という事です。

簡単に騙される脳

現代の食事を見てみると、圧倒的に炭水化物や甘い物に含まれる「糖質」、「脂質」、動物性が中心の「たんぱく質」の割合が高くなっています。また市販の安価な食べ物には化学調味料などの添加物が多く、これらの働きにより私たちの味覚と脳の食欲を司る部分が正常に働きにくくなっています。

甘いものや脂質は、食べることで脳内に快楽ホルモンが分泌されます。これにより、本当はお腹がすいていなくても、脳は快楽ホルモンを求めて私たちに食べるように促します。一時的な快楽に騙されて、偏った過剰な食欲となってしまうのです。

このような脳のメカニズムにより、体が本当に必要としている物を見つける事は、口で言うよりもずっと困難な事です。しかし、少しずつ食習慣を改善し、ビタミンやミネラルなどの栄養が豊富な食事を丁寧に食することで、次第にこの感覚は磨かれていきます。

下記の表は、食べ物の欲求と体が本当に必要としているもの例を挙げています。最初のうちはこのようなものをチェックしながら、食事を選んでみましょう。例えば、小麦粉系の炭水化物やパンなどが無性に食べたくなる時は、体にはたんぱく質が不足している可能性があります。

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http://corobuzz.com/archives/14093/ Adapted.