Lesson9-5 体内状態と美肌の関係 ・要因と4つの対策

肌の美しさは体の中に左右される

肌は内蔵の鏡」という言葉があるほど、肌の状態は内臓の状態をそのまま表します。内臓が疲弊しているときは肌もくすみや肌トラブルに見舞われ、反対に内臓の働きが活発なら、肌のツヤやハリ感も出て、健康的な肌になります。

美肌のためには、皮膚表面のケアだけではなく体内から美しくしていくことが欠かせません。ここでは、体内の健康や美しさを幾つかの要素に分けて学習して行きます。

 

体温と肌の関係

体温は肌の美しさ、内臓の働きに影響を与えます。低体温(通常体温が36度未満)の場合、代謝や免疫力、体内酵素の働きが鈍ります。特に免疫力に関しては体温との関係が密接で、免疫力は体温が1度下がると約37%低下し、1度上がると約60%活性化されます。

代謝が下がると肌のターンオーバーが遅くなりがちで、さらに低体温では酵素の活性が弱まり、腸内環境が悪化し肌荒れを招きます。体温が低いと血流も悪くなり、肌に十分な酸素や栄養が運ばれなくなります。また、体温の低下はPMS症候群を悪化させる原因の一つです。

PMS症候群による症状・肌トラブルを改善するためにも、まずは平均体温36.5度を目標に体温を上げることを目標にしましょう。

体温を上げる方法

  • 1年中、腹巻を活用する。
  • 飲み物は常温のものを飲むようにし、氷入りや冷蔵庫から出したばかりの冷たい飲み物を一気に胃に流し込んだりしない。
  • 白砂糖は体を冷やすため、摂取を控える。(※てん菜糖やメープルシロップなど体に優しい甘味料を用いるようにします)
  • 色の濃い食べ物を選び、生成された白い食べ物を控える。
    ※例:玄米、十割そば、未生成の塩類、糖類。旬の緑黄色野菜など(※例外:カレー、コーヒーなどは色は濃いですが、体温を挙げる食材には当てはまりません。カレーはスパイスの効能で一時的に温かくなりますが毛穴を開かせ発汗させる作用があるために体を冷やします。またコーヒーも体を冷やす原因となるものです)
  • 亜鉛・鉄・マグネシウム・セレンといったミネラル分、ビタミンB1・ビタミンB2といったビタミン類の摂取する。(※これは代謝を行うなどエネルギー変換時に必要となります。)
  • 入浴はシャワーですませず、出来る限り毎日湯船に浸かる。(難しい時は、手浴・足浴を行うとよいでしょう)
  • スクワットなどの無酸素運動+ウォーキングなど有酸素運動をバランスよく行う。(筋肉量を効率よく増やす)
  • アルコール・喫煙を控える。(タバコは特に、血管を収縮させる作用があり、末端の毛細血管まで血液が流れにくくなります)

 

腸と肌の関係

第2の脳と呼ばれる腸の働きは、肌にとって重要な役割を果たします。腸の働きが低下すると、体内摂取したものの吸収効率が低下し、排泄機能も低下するため腸内に毒素を発生させます。これは、便秘の原因となるだけでなく、肌に必要なビタミンの合成も妨げます。毒素は体にとって良くないため、皮膚表面から毒素を排泄しようとし、ニキビなどの肌トラブルが生じるようになるのです。

また、腸は体の免疫機能の70%を占めています。肌荒れや敏感肌の根本的な原因は腸内の免疫機能の低下によるとも指摘されています。腸内を整えることが肌の根本的な改善にも繋がります。

Eskymaks/Shutterstock.com

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腸の働き

  • 消化機能
  • 免疫機能
  • ビタミン・ホルモン合成機能

※ビタミンは腸で作られていることから、腸の機能が低下していると、ビタミンの合成が悪くなり、肌にも影響が現れます。また腸内で合成されるホルモンもあります。

悪い腸内環境でニキビができるメカニズム

酸化した油、または脂質の過剰摂取を行と、体内での分解・消化が不十分となり、未消化のまま腸に運ばれます。ここで消化に負担がかかる食事を続けていると、排泄にエネルギーを割けずに腸内に溜まることになります。

次第に溜まったものが腐敗し、毒素が発生しはじめます。おならの臭いが異常に強くなったり、酷い場合には口臭や体臭にまで影響がではじめます。体はなんとか毒素を体の外に排泄するため、腸以外の排泄器官からの排泄を試みるようになり、その1つが皮脂腺からの過剰な皮脂分泌です。これにより毛穴が詰まり、ニキビができる。

 

腸内環境を整える方法

目覚めにコップ一杯の水を飲む

まず朝起きたら、空っぽの胃腸にスイッチを入れるために、常温の水または白湯を飲みましょう。自然に便意を促してくれます。

Stokkete/Shutterstock.com

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善玉菌を増やす

腸内細菌は100兆個あると言われており、そのうち2割が善玉菌で1割が悪玉菌、残りの7割が日和見菌という状態が理想です。

現代の特に食事内容などを意識しない生活では、食事や生活習慣が乱れがちになる傾向があり、善玉菌にも悪玉菌にもなる日和見菌が悪玉菌の味方をしがちな人が増えています。このような状態では悪玉菌が増えやすいので、善玉菌を活性化を促して腸内細菌のバランスを整える必要があります。それに役立つのが、発酵食品や乳酸菌などの菌です。

乳酸菌やビフィズス菌を含むもの

  • ヨーグルト
  • チーズ
  • 醤油
  • 味噌
  • 納豆(納豆は悪玉菌を殺す働きも持つ)・・・など

食物繊維を多く含むもの

食物繊維は善玉菌の餌となり、活動を活性化させる働きをします。このとき摂取する食物繊維は、ごぼうなどの繊維質の筋である不溶性食物繊維と、アボカドやマンゴーなどに豊富なとろっとしたテクスチャーを作っている水溶性食物繊維の、両方をバランスよく摂取するのが理想的です。

  • 豆類
  • ごぼう
  • 干し椎茸
  • 海藻類
  • こんにゃく
  • 果物・野菜・・・など

 

高タンパク質・高脂肪な肉類の摂取を控える

複雑な分子構造をしている動物性たんぱく質は、そのアミノ酸構造の鎖を分解するために長い時間と多くの酵素を必要とします。例えば焼いた肉の消化には1日以上かかることもあります。動物性タンパク質は悪玉菌を増やす傾向にあり、未消化の動物性たんぱく質は腸内で腐敗すると、強烈な臭いの原因ともなります。

肉を食べたい場合には、同時に新鮮な生野菜のサラダを付け合わせとし炭水化物の摂取を控えると、消化に負担がかかりにくい食べ合わせとなります。玄米に味噌汁、漬物といった伝統的な日本の和食が理想ですが、肉を食べたい日ももちろんあるでしょう。そのような場合には、食べ合わせを工夫することで、インナービューティーを保ちながら美味しく食事を楽しむことも可能です。