Lesson9-6 美腸と美肌・ファスティングの実践

腸の負担を軽減する

消化器官を休めることは、腸の機能回復に有効です。普段から消化の良いものを食べるようにしたりするなど食習慣を改めることと合わせて、現代ではファスティングが注目を集めています。

ファスティングは「断食」と訳されることが多いですが、従来の全く食べない修行のような断食とは異なり、ビタミンやミネラル、酵素などの必要な栄養素を摂取しながらも、消化器官を出来る限りやすめ腸の負担を軽減する、というやり方が現代のファスティングです。

ダイエットや美肌効果など即効性を感じやすく、海外セレブも日々のメンテナンスに取り入れているファスティングは、スタイリッシュで先進的なセルフメンテナンスの方法です。ファスティング中には、コールドプレスジュースや100%生絞りの野菜と果物のフレッシュジュースや、酵素ドリンクなどのファスティングドリンクを用います。お勧めは、砂糖や添加物が含まれていないコールドプレスや手作りのフレッシュジュースです。

ファスティングの効果

  • 胃腸の負担を軽減し、本来の力を回復させる。
  • 代謝酵素をしっかり活用してデトックス効果を促進させることができ、蓄積していた老廃物が排泄される。
  • 血液が美しくなるために血流が良くなり、酸素や栄養が十分に行き渡る。
  • 細胞の隅々まで栄養がいきわたるようになり、さらに代謝酵素の働きにより細胞の再生も促進されるため、肌のハリ・弾力が回復する。

 

ファスティングの方法

ウォーミングアップ期間と復食期間

ファスティングを始める2〜3日前(可能であれば一週間前)とファスティング後の2〜3日は、動物性たんぱく質の摂取や、タバコ、アルコールなどの摂取は控え、胃腸に負担の少ない消化の良いもの、味付けの薄いもので体を慣らします。

①ジューサリーのコールドプレスジュースや手作りジュースを用いる方法

1日3〜6回、新鮮な無農薬栽培や自然栽培の果物と野菜を使ったコールドプレスジュースか、低速ジューサーで手作りするフレッシュジュースを摂取します。ファスティングには繊維質を取り除いたジュースが理想的です。なお、こちらはスムージーとは異なります。

ファスティング期間は半日〜3日間であれば、自己管理のもと行う事が可能です。

  • コールドプレスジュースを使用したファスティングをジュースクレンズとも言い、専門店のジューサリーの出店が増えているのでそのクレンズプログラムを活用してもよいでしょう。
  • 手作りでジュースを作る場合には、野菜もたっぷり摂取できるレシピでつくり、ビタミンやミネラルが壊れにくい低速ジューサーを用います。柑橘類や水分が多く柔らかいフルーツは、機械を使用せずともジュースを作る事は可能ですが、葉野菜や根菜などの野菜類が摂取できずに糖類の割合が多くなるため、ファスティングには低速ジューサーを用いるのが理想的です。
Maridav/Shutterstock.com

コールドプレスジュースでのファスティングプログラムを提供しているジュースバーも増えています/Maridav/Shutterstock.com

<美肌を助けるキャロットアップルジュース>

皮ごと用いる場合には、できるだけ無農薬や有機栽培の食材が理想的です。下記分量で約500mlのジュースができます。人参には美肌づくりに役立つβカロテン(ビタミンA)を中心に様々な栄養素が豊富です。生の人参にはビタミンCを破壊する酵素が含まれているため、レモンを合わせてその酵素の働きを抑制します。

5 second Studio/Shutterstock.com

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材料

  • にんじん・・・5本
  • リンゴ・・・1/2個
  • 生レモン・・・適量

作り方

  1. 材料をよく洗い、適当な大きさに切る。
  2. ジューサーに投入する。人参とリンゴは交互に投入するとスムーズに搾汁しやすい。
  3. 飲むときは、噛むようにしてゆっくりと時間をかけて飲む。

*1日2〜2.5ℓほどのジュースを摂取するのが理想的です。合わせてたっぷりの新鮮な水分を摂取するようにします。

 

 

①酵素ドリンクを用いる場合

酵素ドリンクに記載されている量、方法で希釈もしくは原液のまま摂取します。酵素ドリンクを用いる場合にはその質が重要となります。添加物が入っていないもの、加熱処理されていないものを選びましょう。フレッシュジュースの時と同様、たっぷりの新鮮な水を常温で摂取します。

ファスティング期間は半日〜3日間であれば、自己管理のもと行う事が可能です。

ファスティングの注意点

  • ファスティングを行うことで一時的に体調不良となる「好転反応」が出る場合があります。
    これは細胞の奥深くに蓄積されていた有害物質が、排泄のために表面に出てきたために現れる症状であり、デトックスが起こっているサインです。症状や重さ、継続期間は人によって異なり、眠気・頭痛・だるさ・ニキビなどの症状が現れやすくなります。しかし、これはファスティングによりデトックスが促進されている証拠ですので、過剰に不安にならずに、様子を見ながら水分をたっぷりとり、デトックスを促しましょう。薬で症状を押さえることは、デトックスの効果がなくなる為に避けます。
  • 好転反応の症状があまりにも重い場合には、無理をせずに復食を取り入れファスティングを中断します。この場合にも、症状を押さえるために薬などは使用しないようにしましょう。
  • 効果的なファスティングには、生体理論や栄養学に関する正しい知識、またファスティングへの理解と正しい理論が必要となります。知識が不十分なまま自己流で行うことは避けましょう。
  • はじめは1日のうち一食を置き換えてたり、1日のみ、週末のみといった自分の生活で無理のない範囲で行いましょう。
  • スムージーとフレッシュジュースが混同されている場合がありますが、食物繊維を取り除いたジュースの方が消化器官への負担を最小限に押さえられるため、ファスティングには適しています。

*ファスティングの正しい知識をマスターしたい方は、ファスティングコンサルタント資格取得講座にて幅広い知識と実践理論と共に、美肌作りにも役立つ専門知識を修得することもできます。スキンケアスペシャリストと合わせてインナービューティーの専門家としての指導も可能となります。

 

便秘が治れば肌荒れは治まるか

便秘で悩む女性は今や2人に1人の割合でいると言われています。

便秘は、腸に老廃物が溜まっている状態です。お通じは1日に1回以上が正常であるとされており、何日も出ない状態は体にとって様々な悪影響を及ぼします。体に生ゴミが溜まっている状態なので、腸内では腐敗・発酵により有毒ガスが発生したり、有害物質により腸壁が傷つきます。有毒ガスや有害物質は、腸から再び吸収されて血管内に入り全身を巡ることとなります。

その影響で肌トラブルをはじめ、様々な不調が生じます。

また、未消化の食べ物は悪玉菌の増殖を促し、活性酸素を発生させます。その活性酸素はリポフスチンという老化色素に変化し、くすみ、シワ、ニキビなどの肌荒れを引き起こします。善玉菌が減少しバランスが崩れた劣悪な腸内環境は、肌荒れや老化の大きな要因となります。

様々な肌トラブルを引き起こす根本原因は、腸内環境の悪化である場合が非常に多くなっています。食生活や生活習慣を改め腸内環境が整えば、必然的に便秘が改善され、肌荒れの根本原因の解消にも役立ちます。