Lesson12-1 手作りコスメの基本

Lesson12では、手作りコスメについて学習していきましょう。

こちらで紹介する内容は「口にするものと同じくらい肌につけるものにも気を配りたい」「安心できるものを使いたい」などなど、そんな願いを叶えるのが手作りコスメです。

使用する材料の効能を知ることで、肌に応じたコスメの作り方をマスターすることができます。またコスメを手作りできる知識により、販売されているコスメの成分に関する知識も高めることができます。

 

手作りコスメ

女性の美に対する追求は長い歴史のなかでも変わる事無く続いてきました。遥か昔にもスキンケアのために用いられているものはありましたが、現在のように色々な化学製品を混ぜて容器に入ったものではありませんでした。植物の種子から採取した油脂で乾燥を防ぎ、葉をすりつぶし絞り汁を肌につけ肌トラブルに対処してきました。

現代の様々な技術発展により、多くの天然成分や化学成分の効果が解明され、より有効なスキンケア効果を得るための研究が絶えず行われています。その一方で、昔からの伝統を受け継ぎ、また現代で知り得た情報を活かして自分自身でコスメを作る人も増えてきています。

手作りコスメを使うには、自分の肌状態を知っておくことが重要となります。自分にぴったりの成分を把握しオーダーメイドコスメを作ることで、肌の変化を実感することができます。

Anna Ok/Shutterstock.com

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手作りコスメのメリット・デメリット

手作りコスメは材料選びからブレンド、使用まですべて自分の思い通りにできるというメリットがあります。既製品ではなかなか肌に合うものがない場合や、自分が安心して使えるものを使いたいという場合に適しているのが手作りのスキンケアコスメです。

しかし、専門的な設備があるわけではなく、手に入る材料にも限りがあり、衛生環境も完璧には出来ない以上、手作りコスメにはデメリットもあります。その両方を把握した上で正しい知識を持つことが重要です。

メリット

  • 添加物などの不要な成分や、肌に合わない成分を避けることができる。
  • コスメの全成分が把握できているので、安心して使用できる。
  • 成分の微調整ができ、自分の肌質に合わせたオーダーメイドのコスメが完成できる。
  • 材料費が低く、コスメにかかる費用が軽減できる。

デメリット

  • 手作りコスメでもアレルギーや肌荒れを起こす可能性がある
  • 衛生管理が必要になる。
  • 長期保存が出来ないため、使用する分だけ少量ずつ作る必要があり手間がかかる。
    (基本的に水ベースのものは冷蔵保存で1週間〜10日間、油分のみなら、遮光・常温保存で1ヶ月〜3ヶ月保存が可能。パックやスクラブなどは、その都度一回ごとにつくる必要がある)
  • 必ずパッチテストを行いトラブルが起こらないか確かめる必要がある。パックなどにはフルーツや野菜などの食材が用いられやすいが、食しているからといって全てが肌に塗布しても大丈夫とは限らない。

 

衛生管理

Alexander Raths/Shutterstock.com

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市販のコスメには多少なりとも防腐剤が含まれていたり、しっかりと管理された衛生環境のもとで製造されているため、長期の保存が可能となります。手作りする時は、衛生管理を意識し、清潔な環境で行いましょう。せっかく無添加のコスメを作っても、雑菌が繁殖していては肌トラブルのもととなってしまいます。

コスメ作成時の衛生管理ポイント

  • 手や指を十分に洗浄しましょう。手には、常在菌と言われる雑菌や細菌が付着しています。
  • 使用する器具や容器、製作する場所を清潔にします。容器などは使用前にアルコール殺菌や、ガラス製品の場合には煮沸消毒などを行います。
  • ホコリが舞うような風、扇風機、エアコンの風が直接当たらないところで作りましょう。

 

パッチテスト

無添加のコスメであっても、アレルギー反応や肌トラブルが全くないとは言えません。また、植物には自分を守る力が備わっており、不用意に使用すると思わぬ肌トラブルの要因ともなります。手作りのコスメで発生するトラブルは自己責任となるため、事前にパッチテストを行うことで安心して使用できます。

パッチテストのやり方

  1. 二の腕の内側や太ももの内側など肌の中でも比較的弱い箇所で、手作りコスメを10円玉くらいの大きさに広げ肌にのせます。液体など流れ落ちてしまう場合や日常生活で落ちてしまう場合などは、コットンに含ませて医療用テープなどで貼っておいたり、アレルギー反応がおこらない絆創膏などを利用してもよいでしょう。
  2. 24〜48時間放置して、肌の異常(赤み・かゆみ・かぶれ・湿疹)がないかを確認します。
  3. 肌の異常を感じた場合は、使われている成分のどれかが肌に合わない可能性があるため、顔につけるのは控えましょう。
  4. どの成分が適さなかったのかを知るには、配合したそれぞれの成分を一つずつ再度パッチテストを行います。