Lesson15-2 カウンセリング

スキンケアの相談を受けたり、アドバイスを行う場合には、最初に相手の悩みや状態を知る必要があります。そのためにはまずカウンセリングを行うことが大切です。このカウンセリングによるコミュニケーションで相手との信頼関係を築いたり、アドバイスを行う上でとても重要になります。

 

目的を持ってカウンセリングする

カウンセリングにおいては、ただ楽しく会話したり仲良くなるだけでは不十分です。目的を持ちそれを達成するためのカウンセリングを行いましょう。

カウンセリングの目的

  • クライエントの肌の悩みや現在のお手入れ、生活習慣や食習慣などの情報を入手する
  • クライエントとの信頼関係を築く
  • プロとしての姿勢を示し、安心感を与える・・・など

 

カウンセリングの心得

young asian women lifestyle image in the cafe

カウンセリングの最も大きな目的の1つは、信頼関係を築くことです。

「カウンセリング」と聞くととても難しいイメージをするかもしれませんが、最も大切なのは傾聴力と共感力です。これによりクライエントがもつ情報を得る事ができ、修得している知識と照らし合わせることでアドバイスがしやすくなります。また、信頼関係を築くことであなたのアドバイスを信用・実践してもらえるようになります。

①十分に聴く

カウンセリングでもっとも重要なのは「傾聴力」です。クライエントの話を聞く事に徹しましょう。クライエントは悩みを抱えてその解決を求めていますが、実はその悩みは明確でない物もあります。それを話を聞くことで明確にしていくこともカウンセリングの重要なポイントです。

話を聞く事で情報を得られるだけでなく、親身に相談に乗ってくれる、自分を理解してくれる姿勢に安心感を持ち心を開き始めます。十分に話を聴かずに行われるアドバイスは、クライエントに「自分のことを全然分かっていないのに知識を披露している」という不信感を抱かせ、その後の良い関係が築けなくなります。

カウンセリング傾聴ポイント

  • アドバイスを求めようと思った動機
  • 現在の悩みは何か
  • なぜ悩んでいるのか
  • いつから悩んでいるのか
  • 悩み始めた時期に何か、外面・内面において変化があったか
  • 生活習慣や現在のスキンケアの方法などのようなもの・・・など

※詳しくはカウンセリングシート項目で確認しましょう。

 

②受け止める

カウンセリングでは、クライエントの話の内容はどんなことで、一度受け止めることが大切です。

専門家のあなたにとっては、クライエントの話には、信じられないようなケアをしていたり生活習慣を送っている事もあるでしょう。自分と考え方が異なる事も多々あります。そのような場合にも、反論やあなた自身の意見を途中で挟む事なく、クライエントの話を一度受け止めるようにします。クライエントは適切なアドバイスを求めていますがそれ以上に、自分を受け入れてくれる人に相談したいと思っているのです。

自分とは異なる意見や考え方、間違っているように見える意見を認めたり、納得したり、受け入れたりすることは難しいでしょう。受け入れる必要はありません。跳ね返すことなく、1つ1つ「受け止める」ことが大切です。これにより、あなたへの信頼度と安心感が高まります。

受け止めポイント

  • クライエントの話に途中で意見を挟まない
  • 話の途中で反論したり、間違いを指摘したりしない
  • 受け止めていることが伝わりやすいように、あいづちをしっかり打つ

 

③共感する

共感」は、傾聴と共にカウンセリングで重要なポイントです。自分の話をしっかり聴いた上で、受け止めて共感してくれる相手には、信頼を置き、本当の悩みを打ち明け、アドバイスも素直に聞き入れることができるでしょう。

クライエントにとってもそれは同様で、共感により自分のことを理解してもらえていると感じるようになります。良い関係性を築く為に必要なのが「共感力」なのです。

共感ポイント

  • しっかりと相づちを打つ
  • 適切なリフレイン(言葉の反復)を行う
  • 常に笑顔で話を聴くが、内容によって表情を変化させる
  • 「そうなんですね」「それは本当にお困りだったでしょう」などの共感ワードを適切に使う・・・など

 

「カウンセリングの心得」を十分に理解した上でカウンセリングに臨みましょう。

大切な要素をご紹介しましたが、カウンセリングはテクニックではなく、「クライエントの悩みを一緒に解決していきたい!」という真剣な思いと誠実な態度が最も大切です。それを忘れなければ、十分に信頼関係が築き、必要は情報が得られるカウンセリングを行うことができます。