専門家として見え方の重要性
「人は見た目が9割」の真実
有名なフレーズですが、人は第一印象において9割を判断すると言われています。これはほんの一瞬(約3~5秒)で決定され、そのほとんどの情報を視覚的情報から得ています。
初対面の場合、その人物を認識する要素としては①見た目・表情・しぐさ・視線などがあります。さらに②声の質・話す早さ・声の大きさ・口調などの聴覚的情報があり、この時点で9割以上が決定しています。③言葉そのものの意味や話の内容など、言語情報による認識は10%にも満たないのです。
最初に与えた印象は後に変える事が難しく、時間として約300時間必要とも言われます。それくらい第一印象は大切なのです。
外見で心をつかむ
- 服装:清潔案を出すためたの白っぽい服装が適しています。しっかりと手入れが行き届いたホワイトカラーを意識しましょう。また、華美なアクセサリーなどはカウンセリングの際は外しておきます。
- 髪型:清潔感のある髪型が重要です。施術する場合はまとめ髪が基本であり、前髪も落ちないようにします。カウンセリングだけの場合には、必ずしもまとめ髪にする必要はありませんが、ダウンスタイルの場合はより清潔感に気を配りましょう。耳掛けをするなどして、顔全体が出ている方が信頼感を与えやすくなります。
- メイク:派手すぎず、地味すぎず、というのがポイントです。スキンケアのスペシャリストとして、ノーメイクや地味すぎるメイクは禁物ですが、クライエントが主役となるカウンセリングにおいて華美すぎるものも適していません。清潔感のあるナチュラルメイクを心がけましょう。
- ネイル:カウンセリングシートをかき込んだり、指で指し示したりと、クライエントと最も距離が近くなるのが指先です。適度な艶がある、シンプルなネイルを施している程度の清潔感がある状態にしておきましょう華美すぎる物は不潔な印象を与えます。また実施に、長過ぎる爪は肌を傷つけることになります。
- 靴:汚れた靴により信頼感は低下します。ネイル同様、細部まで整えましょう。
態度で心を掴む
- 立ち方:背筋を伸ばして両足に均等に体重がかかるようにしましょう。胸を張ることで立ち姿が美しく見え、落ち着きがあり信頼感がおける人物、という印象がもたれやすくなります。
- 歩き方:がに股、内股、大股歩き、極端な小股歩き、靴をすりながら歩くなどは印象が良くありません。適切な歩幅でつま先を正面に踏み出し、かかとから着地してつま先に体重を移動する、という正しい歩き方の一連の動きを意識しましょう。
- 座り方:カウンセリングの際は、座っている時間が最も長くなるでしょう。足を組んだり広げたりといた座り方は、高圧的で生意気な印象や下品な印象を与えてしまいます。イスに浅く腰掛け、常に背筋を延ばすことを意識しましょう。話を聴きながら腕を組むこともNGです。
話し方で良い印象を与える
第一印象の中には「声」や「話し方」という要素も含まれているので、これも大切なポイントです。話し方は下記の要素に分解できます。
- 話すときの表情
- 声の大きさ
- 言葉遣い
- テンポ
- 抑揚・・・など
笑顔を基本として、年上の人にも年下の人にも敬語で接します。最初の挨拶から見送りの最後まで、明るい表情で過ごしましょう。また、話の内容に合わせて表情を豊かにしたり、抑揚を付けるなどすると説得力や信頼性が増します。
基本の笑顔から、楽しい話のときは大きな笑顔、怖い話の場合には眉間に力を入れるなどの険しそうな表情、悩みなどの困った内容や悲しい内容には悲しそうな表情やため息まじりの共感などを意識することで、クライエントの心は開き、ぐっと距離が縮まります。
また、声の大きさは周囲の環境にも影響しますが、大きすぎず小さすぎない声を意識し、会話のテンポはゆっくりが基本です。しかし、クライエントの会話のテンポが早い場合には、すこしだけそれにあわせると会話が進みやすくなることもあるため、自分のペースを失わない程度に相手に合わせることも意識してみましょう。
話し方のポイント
- 話し方に抑揚をつけ、重要なポイントはすこし声のトーンを上げる。
- 笑顔、悲しい顔、共感の顔など表情豊かに話す。
- 大切なポイントは、クライエントにも重要性が伝わるように繰り返し伝える。
- 会話に合わせて相づちをしっかりと打つ。
- 身振り、手振りなどのボディーランゲージを効果的に用いる。
- クライエントの発言に対して適切なリフレイン(言葉の繰り返し)を行う。
- 適切なアイコンタクトを用いて、重要な部分を強調する。
話す内容で信頼感を獲得する
見た目の印象が大きな割合を占めますが、もちろん話の内容も重要です。会話において信頼感を獲得するには確かな知識が必要ですし、適切な会話やアドバイスも必要となり簡単ではありませんが、下記ポイントを意識しながら会話を進めてみるとよいでしょう。
①話を聴く
話す内容においても、傾聴力は重要となります。クライエントがよいと感じるアドバイスは、「自分のことを理解してくれた上で与えられるアドバイス」ということを常に意識しましょう。アドバイスを受け入れてもらうためには、まず「理解された」と思ってもらうことが必要です。
しかし、逆に言うと一度「理解してもらった」と感じてもらうことができれば、クライエントは心を開きアドバイスもしっかりと受け止めてくれます。最初から自分の伝えたい内容を話すのではなく、相手の話を聴くことから会話は始まります。
②共通の話題を見つける
初対面の相手との会話でも、盛り上がったり安心感を得ることができるのが「共通の話題」です。出身地や出身校、過去取り組んでいたスポーツや好きな芸能人や漫画、趣味など、そのジャンルに関係なく、共通の話題があることで相手との距離が近づきます。
共通話題になりやすいキーワード
- 出身地や出身校
- 今住んでいる場所
- 趣味やスポーツ
- 芸能人やアニメ・漫画
- 家族構成や子供
- 好きな食べ物・・・など
③専門用語を多用しない
専門知識を持つと、専門用語や難しい言葉を使いがちになります。専門家同士の会話ならそれで全く問題ありませんが、カウンセリングではクライエントに分かりやすく伝えるということが重要となるため、専門用語を多用することは適していません。
専門用語を使うことにより専門家らしさを示し、相手に信頼感を与えることが出来るというメリットもありますが、多用は避けましょう。専門用語を使用する際は、そのあとに分かりやすく噛み砕いた説明を加えるなどすると、専門家らしさと親切さ・丁寧さを両立できます。
座る位置で印象が変わる
心理学を基とした考え方ですが、カウンセリングにも広く応用されている座り方の法則があります。座る場所により、相手に与える印象や意識に違いがあります。
カウンセリングにおいての正しい位置とは?
A:クライエントの正面に座る
正面に座るのは、交渉や商談など相手と対峙する際に主に用いられる座り方です。相手との立場は対等関係となるため、商談において金額交渉やクロージングの際にもちいると効果的とされています。
B:クライエントと90度の角度で座る
この座り方が最も意識せず気軽に話ができる座り方なので、カウンセリングに適しています。クライエントとの距離感も取りやすく、必要に応じて目線を合わせることもそらすこともしやすい位置関係となります。最初のコミュニケーションの際などは特に、テーブルやソファーの配置がこのようになるように意識しましょう。
C:クライエントと並んで横に座る
クライエントとの距離が最も近くなる座り方です。相手の目を凝視することがなくなるため、距離が近くても思っているほど違和感を与えることはありません。
ただしパーソナルスペースは人それぞれであり、現代の人はパーソナルスペースが広くなりがちで近づかれるのが気になる方もいます。また自分がかき込んでいるメモなどが相手から見えやすくなるので注意が必要です。
プランの説明や資料などを用いる商品説明などを行う場合には、この座り方が適しています。